雷神の槌作戦篇
第1話 建国神話
むかしむかしのおはなしです。
しかし、たべものはすくなく、かれらはいつもおなかをすかせていました。そして、
あるとしのことです。
さくもつがふさくになり、もりのきのみやどうぶつもとりつくしてしまいました。
「かみの
そういいだしたのは、
おおくのものがルフトをばかにしました。
「かみのけいじだって?うそつきなばちあたりめ」
「ここをでていっても、たべものなんてあるものか」
それでもルフトはくじけませんでした。
かれにはごにんの
いげんにみちたザルツハイム、けんにたけたヴァルドゥ、まつりごとにたけたラハト、あきないにたけたレベルア、そして
かれらとともにルフトはふねをつくり、みなみのうみのかなたにむけてたびだちました。
「かみがおっしゃるにはみなみには
かれらはたがいにたすけあいながら、うえやあらしをのりこえてみなみをめざしてこうかいをつづけました。
ななじゅっかいのあさとよるをこえたひ、かれらはようやくりくちにたどりつきました。
そこでかれらをでむかえたのは、やさしくちえにみちた
さいしょルフトたちはかれらのきょだいさにおそれおののきましたが、かれらはるふとたちにたべものをあたえ、やさしくもてなしました。
「ちいさきものたち、たいへんなくろうをしたね。ここはたべものゆたかなとちだ。きみたちにおいしい
巨人たちにおそれをなしていたろくにんでしたが、しだいにかれらのやさしさにこころをひらき、またたべもののゆたかなことにかんしゃしました。
そしてまた、巨人たちは
ルフトたちはまほうのちからで、さらにゆたかなせいかつをきずきました。
また、ルフトはきょじんたちのゆるしをえて、こきょうにのこったひとたちをよびよせました。
ルフトたちはこきょうのなかまたちとともにこのあらたなとちですごし、やがてけっこんしてこどもをおおくもうけました。
しかし、あるひをさかいに
からだがいきているうちからくさっていくやまいです。
ルフトはなげきかなしみましたが、
さいごの
そして、じぶんたちをこころよくむかえいれ、
しかし、そのルフトもまたやまいにたおれ、かえらぬひととなったのでした。
あとにのこされたひとびとはルフトのゆうきをたたえ、くにのなまえを「ルフトのおうこく」という意味の、「ルフト・バーン」とすることにしたのでした。
――絵本ルフト・バーン建国記
さく アレイア・ロルム
え みどりかわ みつる
福耳館書房 刊
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