残念な人…………(クズは死ぬべし)

さて、私の現在の年齢は14歳。だから中途編入となる。それにしても、あれはないわー!


王都に行ったらまず国王様に挨拶に行ったのよ。まだ自称婚約者サマとは会ったことがなかったので。

それでお城に着くとすぐに謁見の間に通されました。


そこで─


「急な婚約の申し出で申し訳ない。息子の婚約者であった令嬢が急病で倒れてしまってのぅ。各貴族のバランスを取ってオリオン辺境伯にお願いした次第である」


「いえ、身に余る光栄であります」

(この言葉が本当なら………ね)


私はチラッとこの日の為にお城へ戻っていた第一王子を見た。なるほど、金髪碧眼のザッ、王子って感じですわね。

しかし、王子の顔はお世辞にも歓迎しているようには見えなかった。


「初めまして。第一王子のライク・レイクードだ。正直、私はお前との婚約に納得していない。王命だから仕方ないと割りきっているだけだ!勘違いするなよ?」


王子はポカーンとしている私を置いて、勝手に出ていってしまいました。


「すまぬな。元婚約者と仲が良かった余り、気持ちの整理が付いておらぬのだ。ワシからしっかりと言い聞かせるので許して欲しい」


王様に謝られては、怒る事もできずモヤモヤした気持ちで、お城を後にしました。


1度、王都の屋敷に寄って次の日から学園です。学園は寮生活となるのです。


「お嬢様、調査の結果がでました」

「では報告を」


オリオン家に仕える忍びの方々です。とっても優秀なんですよ♪本気を出せば、国王陛下の部屋に手紙も置きにいけるでしょう。


「先にお伝えしますと、すぐに領地に帰りましょう!そうしましょう!では荷物を御運び致します!」


待て待て待て!最後まで報告してよ!


「単刀直入に言いますと、あの第一王子はクズの極みです。まだ未成年だった婚約者を妊娠させた事で見聞が悪いと、急病扱いで多額の賠償金を支払い婚約破棄となりました。しかも、元婚約者は子供を中絶させられています」


うわぁ~!マジですか!?ヤバイですね!


「しかも王子の趣味がロリス巨乳ということで、大人の魅力があるお嬢様は守備範囲外だそうです。おばさんには興味ないと漏らしていました」


「なんだと!あのロリコンがっ!ぶっ殺してやりますわ!!!!」


危うく武器を持って屋敷を出ていきそうになってしまいました。落ち着かねば!


取り敢えず、学園に通い始めたらすぐに単位を取って帰りましょう。


こうしてシオンの学園生活が始まりました。

珍しい中途編入とあって注目を集めました。この美しい銀色の髪は珍しいですからね!うふふ♪


そして1ヶ月経ち、ちょうど単位を全て取得したので学園を明日去ります。

取り敢えず、敵を作らない程度に広く浅くの付き合いもしましたし問題ないでしょう。



と、思っていたのですがその日の食堂にて─


「シオン・オリオン!貴様は俺の婚約者である地位を利用し、俺の『大事な女性』を階段から突き落として殺そうとした事、しっかりと証拠が上がっているぞ!」


?????


はい?


このロリコンは何を言っているのでしょう?

バカなの?バカなんでしょう?真のバカといって良いですか?


「なんのことでしょうか?」

「しらばっくれるのもいい加減にしてもらおう!目撃者もいるのだぞ!」


はぁ~と私は深いため息をつきました。


「なんだ!その態度は!?」


私の動じない態度に憤る王子サマに私は冷静に対応します。


「まず、私という婚約者がいるのに他に大事な女性をと人目もはばからず浮気宣言には呆れてものが言えません」


私の言葉に王子はしまったという顔をして周囲を見渡した。はぁ、バカですね。


「それはどうでもいいです。その女性が突き落とされたのはいつなんですか?」


シオンの話題の変化に乗る王子は言った。


「昨日の夕方だ!目撃者もいるぞ!」


はい!ツモです!一発ツモ倍満かしら♪


「昨日………ですか?本当に?記憶の違いではなく?」


私は頚を傾げて、言っている意味わかりませーんの仕草を取った。


「間違いない!昨日、この者が階段から突き落とされた!幸い、大事には至らなかったが、お前を見たと言っている!」


えっ!?目撃者って本人ですか?

もうどこから突っ込んでいいのやら…………


「え、ええっと、他に目撃者はいらっしゃいますか?」

「貴様!この者が嘘を言っているというのか!だから貴様は性根が腐っているのだ!」


もう、しゃべる気にもならないのですが………

ほら、周りを見て下さいよ。周りの生徒もこいつ何言ってんのって顔しているでしょう!


「くっ!あははははっ!!!!」


そこに突然、大笑いした人物が現れた。








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