純愛

夏川夏実

第1話 私の大好きな彼

彼は、荒れた生活を送っていて、その日も帰りが遅かった。

こんなに、ユウマくんを待ちかねている私がいるというのに。

こちらには見向きもせず、ぐでんぐでんに酔っ払った状態でクツを脱ぎ捨て、そのままベッドに倒れ込む。

と同時に、帰り道に寄って来たと思われるコンビニ袋から、ビール缶とつまみ、そしてマンゴージュースが散らばり出た。

あ~あ、もうっ、ユウマくんったら、本当にだらしないんだから。

でも、こうやってマンゴージュースを買って来てくれるあたり、私のことも忘れていないんじゃないの?って、つい期待しちゃうよね。

そりゃあ、ビールだって大好物だけど、やっぱりあの甘いマンゴージュースは最高だわ。

最近は、仕事がうまくいっていないようで、毎日こんな感じ。

飲みかけのお酒やらジュースの缶、おつまみや食べかけのデリバリーが散らかっていることも多い。

ユウマくんのカラダが心配だよぉ…

でも、私には、ユウマくんの傍にそっと寄り添うことしかできない。

ごめんね、大好きなのに、何の力にもなれなくて。

でも、本当に大好きだよ。

ユウマくん。

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