レイン

模-i

 草むらとも荒地とも言えない、曲がりくねった小径のそばで、あなたは横たわっていた。雨が、あなたの体を濡らしていた。

 このままでは、あなたは錆びてしまう。だから私は、持っていた傘をあなたに立てかけた。

 しばらくして、あなたは目を覚ました。


 ギギィィッ……ガッガッガッ……


 あなたは体を起こし、目を明滅させながら頭を回した。そして、私の方を向き、首を横に曲げ、傘を差し出した。

「ううん、これはあなたのものよ」

 私は笑って応えた。


 あなたは、優しく私の背中に触れて、そっと引き寄せた。私は流れるままに、あなたを抱擁した。

 二人で同時に傘に入るためだろうか、あなたの背中は濡れて冷たかった。でも、不思議と奥から温かさが伝わってくるのだ。


「ありがとう」


 ギッギッ


あなたは首を上下に曲げて伸ばした。

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