The other side of my foot
ユタカ🅱
もう一つの僕の足の裏側
深夜にふと目覚める。真っ暗な部屋の中。隣には息子しかいない。ふと気づく。寝ている僕の足元。その足の裏に別の足の裏がピタリ張り付いて。均衡のとれた力で向こう側から力を掛けてくる。まるでそこに鏡でもあるかのような感覚。もう一つの足がペタリ張り付いて。僕の足の向こうは壁。箪笥が置いてあるだけ。生暖かい感触が皮膚を伝わって僕の身体に混じってくる。冷たくはない。乾いた感じでもなく。寧ろ湿り気を帯びている。片足だけでなく左右の足の裏側。まるでもう一つのセカイの僕の足が張り付いているような感覚。不思議と怖さは感じなかった。僕の足の向こう側のパラレルワールドと繋がっているような高揚感さへ感じて。どれくらい経っていたのだろう。別の宇宙の僕を足の裏側に感じた不思議な不思議な夜明け前。僕は何事もなかったかのように用を足しに立ち上がった。戻るともうそこにはもう一人の僕の宇宙は無くなっていた。
The other side of my foot ユタカ🅱 @chillibossa
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