僕の心に刻まれて
りゅうのしっぽ
夢見る少年
寒い夜空の浜辺で月に照らされている黒髪を優雅に漂わせながら歩いている女性がいる。
高校生1年生の僕と変わらないか1つ上ぐらいの女性。
ひたすら同じ歩幅で浜辺に足跡を残していく女性を僕は横でただ眺めているだけ、彼女も僕には気づいていない。
しかし、ふと、なんの前触れもなく彼女はこちらを振り向き目が合う。
彼女の目は蒼く、何でも見透かしてしまうような透明感がよりいっそう彼女の神秘的な雰囲気を引き立てる。
その彼女の顔を見て静まり、落ち着いていた僕の心が...心臓が、なにかを訴えようと躍動する。
『なんで、そんな顔をしてるんだよ......』
彼女は涙を流しながら微笑んでいた。
寒い朝に暖かい日光がカーテンから差し込む。
普段なら、二度寝にしけこむ「
でも今日は、寝覚めが悪く、そんな気分になれなかった。
ベットから降り、軽く伸びを入れながらカーテンを開ける。
いつも、眠気を妨げる憎き日光も今日ばっかりは得体の知れない心のモヤモヤを薄めてくれてるようでなんか安心できた。
「なんか...悲しい?夢を見たような気がする...」
しかし、所詮は夢。
いくら考えても思い出せないし、日光浴で薄まったよく分からない悲しい感情をぶり返したくなかった。
「たまには、早めに学校いくか」
いつもは、遅刻しない程度の時間に学校に向かうが今は、時計の針が6時ピッタリを指している。
家から学校まで歩いて30分もかからない僕にとってこの時間に学校に向かうのは早すぎるけどそういう日があってもいいだろう。
「えっと、今日は授業何があるっけなぁ~」
いつも、学校の準備は朝にしている。
自分で言うのもなんだが、僕は、前もって準備とかする真面目な人間じゃない。
そんな僕でも、とある友人の反面教師のお陰で学校に教科書は置かないようにしている。
なので、いつもは時間と戦いながら急いで詰めている教科書たちを今日は丁重にリュックに入れて差し上げた。
「さぁーて行きますか!おっと......これは忘れちゃダメだ」
机に置かれている《カード》をリュックの横ポケットに入れ、リビングにおり、食パン1枚と牛乳を胃の中に流し入れ、学校に向かった。
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