(二)-20

 翌日、僕は再び病室を訪れた。

「突然出て行ってしまい、すみませんでした」

 そう謝る僕に未来子さんは慰めてくれた。「誰だっていきなりあんな話したら、パニックになるわよ」と。そして彼女は身の上話を話してくれた。

 若い時はもともと結婚するつもりはなかったらしい。学生時代にはバスケをやっていて、身長も高くスタイルも良かったのでモデルみたいに綺麗でモテた。でも入院するまでの間に、一〇年以上関係のあった二人の愛人に立て続けに別れを告げられたのだという。そこで慌てて転職活動や婚活を始めたらしいのだが、それらは結局上手くいかなかったという。そうしているうちに、病気が見つかり入院となってしまったということだった。


(続く)

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