(二)-15
「退院したら、きちんとプロポーズします」
「あ、あと、指輪も持ってきます」
僕はそう付け加えた。よく考えたら、プロポーズすることには一生懸命だったけど、婚約指輪を用意するのをすっかり忘れていたのだ。とっさにその言葉を付け加えた。もしかしていままで未来子さんが僕のプロポーズに応じてくれていなかったのは、指輪がなかったからなのだろうか。
今でこそ、病院の診察着を着ているが、職場での未来子さんは着ている物も身につけている物も、ブランド品などでしっかり決めていて、いつもカッコ良かった。そんな人に指輪ナシでプロポーズしてたなんて、一体自分はどれだけマヌケなんだ! ああ、穴があったら入りたい……。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます