(二)-3

 「まさかの職場での情事?!」なんて期待が半分、きっと別のことで怒られるんだろうなあという諦めが半分で未来子さんの後をついていった。小会議室に入るとドアを閉めるように言われた。こんなシチュエーションなんだから、ドアを閉めるだけでなく、どさくさに紛れて鍵も閉めてしまえ、って思ったけど、残念ながら鍵は付いていなかった。

「さっきみたいなの、やめてくれる? 私、あなたに気なんか一切ないんだから。ましてや職場で。それから先週の事は忘れなさいって言ったわよね。まさか覚えていないの?」


(続く)

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