第2話 プロローグ(和樹の高校時代&大学時代)

中学から高校へと進学し俺の人生は何も変わらなくった。主に変わった事と言えば『日本』に興味を持ち始めた事だった。

それまではただ、母親の家族に会うために帰ってた、くらいにしか考えてなかった。しかし、日本でのあの眩い光景が頭から離れなかった。日本のバライティ番組やらドラマやらをたくさん見た。そんな中、高校2年の頃、アニメに手を出してみた。そこから俺の人生は90度くらい変わった。

気づいたらアニメ、漫画やライトノベルしか見てなかった。もちろん、勉学もそれなりやっていたが俺の場合、一人の時間が他の奴らに比べ、長かったからだ。


高校に入ってからも俺は浮いていた。当然だ。今まで家族以外の人とろくに会話した事のないやつが高校からいきなり陽キャに変身出来る訳がない。むしろ、教室でずっとラノベやら漫画やらを読んでいると変な目見られまくってもっと浮いてしまった。別に気にはしてない。


そんな時、俺の姉、大塚小春おおつかこはるが日本の大学へと旅立ってしまった。その時から日本の大学に行きたいと少しずつ思うようになった。


そんなこんなで高校3年にもなり、そろそろ将来の事も考えなくてはならない時期にもなってきた。俺の成績は平均より少し上くらいで大学に入るにもあまり問題はなかった。後は、自分がどうしたいかだった。

俺は少し前からアニメ関係の仕事に就きたいと思ってきた。

自分がアニメ、漫画やラノベで貰った感動をもっといろんな人に体感してもらいたい、それは作ってやれる側にいたい。


そのためにも、日本の大学に行き、映像系、アニメ関係の事を学び、そして、一度は諦めた青春……いや、楽しく、心から笑って、友達が欲しかった。



だが、




「駄目だ」



緊張感漂うリビングで親父は言った。

数秒の沈黙の後、親父は続けた


「お前はこっち(カナダ)の大学に行くんだ。こっちので大学でITアイティー関係の勉強をしなさい。」


俺はそれでも自分の夢を諦めたくないと何度も言った。だが親父は一度決めた事は絶対に曲げない人だ。


結局、親父を説得出来る事は出来ず、俺は興味もない大学へと無理矢理入れさせられた。



あれが初めてのおねだりだった。今まで自分からなにかねだった事は一度もなかった……一度も。

それをなんのためらいもなく踏みにじまれた。


自分の進みたい道に進めない悔しさ、自分の人生のほとんどを制限された気分だった。


無意識のうちに、頭の片隅で多い日本の大学で好きな事を学んでる姉と自分を比べてしまった。


将来、なにになろうと考えてる、同級生全員、羨ましく思ってしまった。




半年後、俺は近くのIT関係と少しばかりアニメ関係にも触れている大学を選び、なんら今までと変わらない最後、4年間の大学生活を過ごした。

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