第1話

世にはキラキラネームなるものが、存在しているが、彼の名前も平凡でないのかも知れない。普通そんな名前を子供につけるかと思うほどではないが、少なからず、少し嫌になるものが彼にはあった。

「おーい、きよ帰ろうぜ」と後ろからあだ名で呼ぶのは友人の健である。彼はクラスメイトの林道 健だ。「おぉ、健かビビったわw」先程の考えていた事を少し考えながら、そう返事した。自分の名前に対して慣れてきた方だが、あだ名で呼ばれると幾分かマシな気がした。そうそれは自分の名前が黄金寺 清麿秋彦といったように、長いしダサいと個人的に思っている。廊下を歩きながらくだらない雑談をし駅前までふざけ合いながら歩いた。「あのYouTuberまた炎上したってよw」健は楽しそうに笑いながら言ってるのを、「(´・∀・`)ヘー」って絵文字を書いたような顔であしらっている。駅前に着くと午後5時半を回るところだ。「じゃーなー、きよー」と彼は手を振って去っていった。「さて、カフェで勉強するか」と独り言のように呟いて勉強する気を出して、足を進めた。駅近のカフェに着いて、安いアイスコーヒーを注文した。コーヒーをもって二階あがり、空いている席を探した。人は多いような少ないような感じで空き席はチラホラあったので、窓際の席に座った。

1、2時間はたったのだろうか外は暗くなっていた。一息入れようと手を止めてコーヒを啜った。人が少なくなったのか喋り声は、あまり聞こえて来ない。「ふぅー」と息を吐いた。一息着いたら疲れたので、そろそろ帰るかと思い、時計を確認したら7時半を回っていた。そんなにしてないと思いつつ喫茶店を後にした。駅の近くでとても綺麗な人を見た。それはクラスメイトの遠藤凛だった。清麿秋彦は彼女に恋をしていた。理由なんて些細なものだが、その美しい容姿と優しい性格で何度も先生の手伝いを一緒にやってくれた。そんな所に心奪われていた彼は、彼女だと気がついて走って交差点を渡ろうとした時、眩しい光と衝撃が体を貫いた。


意識が混濁としていて何が何だか分からない。瞼が閉じる寸前で目の前の彼女が自分に気づいたのがわかった。「ぁ、ぁあ」と液が漏れた喉でそう言った。

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