学年一の美少女の秘密を知ってしまった。どの様に知ったかって？エロゲ買ってたんだが。

第23話 本性バレとはつまりキスを意味する

美玖は俺に変装をしてまでやって来てくれた。

俺は.....その姿に驚きを隠せず。

何というか世界が本気で回り始めたと。

そう感じてくる。

「正直言って。.....美玖だったとはな。あの変装した姿が」

「.....私.....だよ。アハハ。ゴメンね.....騙して」

「.....いいや。大丈夫だよ。有難うな」

リビングにて柚と一緒に美玖を見ていた。

美玖は変装道具を目の前においてから俺達をチラチラ見ている。

でもこれでもまだ決まった訳じゃ無いよな。

１パーセントでも可能性はあるかもしれない。

中島かもしれないという可能性が、だ。

「.....美玖。お前は運命の女の子。これで間違いはないんだな？」

「.....うん。.....私だと思う。.....ど、どうだった？変装」

「お前が可愛いんだから似合っているに決まっているだろ」

「ま、またそんな事。こ、困る」

「俺は真剣だからな。.....困るもクソも無いぞ。.....ガンガンいくぞ」

目をクワッとしながら俺は美玖を見る。

ふえ？、と美玖は目をパチクリする。

すると頭を叩かれた。

それは柚に、だ。

困惑しているから山城さんが、と言ってくる。

いや。だって.....。

美玖が運命の女の子なら.....ガンガンいきたいじゃん！

俺は涙目で柚を見る。

それから考えを告げた。

「それは分かるけどやり過ぎだからね。お兄ちゃん」

「とは言っても俺は美玖を運命の女の子と思っているからな.....」

「だからと言ってもダメ。そういうの」

「.....はい.....」

俺はシュンとしながら.....美玖を見る。

美玖は、アハハ、と言いつつクスクス笑いながら涙を浮かべていた。

その姿に柚も俺も見開きながら笑みを浮かべる。

それから改めて美玖に向いた。

「どうしていきなりこういう事をしようと思ったんだ？」

「.....驚かせたかったのもある.....かも。でもより性格に言えば.....頃合いかなって」

「.....頃合い？」

「うん。もうそろそろ.....バレそうだったから」

「.....成程.....」

だから私は変装をして貴方の前に現れた。

そんな感じかな、と少しだけ恥じらう様に頬を掻く美玖。

それから笑みを浮かべた。

俺はその姿に、そうか、と返事しながら柔和に美玖を見る。

そして俺に美玖は向く。

「でもスッキリした」

「.....何が？」

「.....やりたい事をやったから。.....うん。.....後悔は無いよ」

「.....お前のそういう姿は初めて見たな。.....変装をして取り敢えずは恥ずかしさが無くなったのかお前さん」

「は、恥ずかしさはあるんだけど.....恥ずかしい訳がないよね.....」

「.....お、おう」

するとこれを見ていた柚が、もー。初々しいね。

と柚は苦笑いを浮かべながら俺達を見る。

俺は、そうだな、と反応しながら後頭部を掻く

さて、こうなったらどうなっていくのだろう。

由紀との関係は？、と。

そう思うのだが。

「中島さんとの関係ってどうなっていくのかな」

「.....思っている事を口にするなよ。流石は我が妹」

「え？！考えてたの！？」

「そうだよ。当たり前だ」

以心伝心だね。

お兄ちゃん、と言いながらニヤッとする柚。

うわー性悪ですね.....。

見ろ美玖が本気で悩んでいるしな。

そういう関係なんだ、って。

「勘違いするなよ。美玖。そういう関係じゃないからな」

「え？違うの.....？」

「お前は俺を何だと思ってるんだ」

「い、いや。近親も良いかなって.....」

「.....」

いかん。

コイツ由紀の毒に侵されてないか？

思いつつ.....ボーッとしている美玖を見る。

こんな純粋な子までそんな事を.....お父さんは悲しい。

そう考えながら.....時計を見る。

「取り敢えず由紀が帰って来るまで待ってみるか」

「そうだね。.....真実をはっきりさせないと」

「.....さ、賛成です」

真実もクソも無いかもだけどな。

判明してしまった訳ですから。

でもそれでも。

由紀を待ってみよう。

アイツ.....エロゲに見やってなければ良いが。

「ところで.....何か飲むか」

「.....わ、私なら苺ジュース」

「.....苺ジュースはあったかな？」

「.....苺ジュース.....うーん」

な、無かったらアプルで。

と美玖は話す。

何だアプルって。

あ。成程。

アップル。つまりリンゴか。

「.....美玖は可愛いな」

「.....可愛い可愛い言わないで.....恥ずかしい」

「.....いや。可愛いさ。.....流石だよ」

アプルを百科事典の単語にしたい。

考えながら.....俺は立ち上がって入れに向かった。

すると美玖も立ち上がる。

それから、て。手伝う、と言ってきた。

「じゃあお兄ちゃん任せていい？私、洗濯機から洗濯物を持ってくる」

「.....おう。任せた」

柚はそのまま奥に向かう。

それから美玖と一緒にアップルジュースを入れていると。

突然、美玖がアップルジュースを置きながらこう呟く。

好きになった人同士ってキスをするの？

と、だ。

ファ！！！！？

俺は見開きながら赤面する。

「わ、私はしたい.....かな」

「.....落ち着け。どうしたんだお前。積極的だな」

「.....誰にも取られたくない」

「.....い、いや分からんでも無いけど.....」

後ずさってコップを落としてしまった。

ガラスじゃ無かったから幸いだったが.....何を考えているのだ美玖は。

思いつつ拾おうとしていると。

押された。

ドンッと、だ。

「え！？ちょ、何するんだよ！？」

「わ、私は.....」

「.....！？」

花に七色のいい香りがした。

次の瞬間、俺と美玖はキスをする。

美玖が迫ってきて避けれなかったのだ。

俺の頬に触れながらのキス。

俺は赤面しながら、はぁ！？、と思ってしまう。

そして唇から美玖は唇を離す。

それから、えへへ、とはにかむ。

「好きだよ。.....とーくん」

「お、お、お前！！！！？」

「さ、騒いだら戻って来るから。ね？ファーストキスだよ」

「.....！」

俺は.....何も言えなかった。

そのまま秘密が出来てしまい。

俺は心臓をバクバクさせながら.....リビングに戻った。

桃の味がした.....んだが.....。

ヤバい。

心臓が動脈が破れそうなんだが.....。