恋、焼かれ焦がれる
アカサ・クジィーラ
第1部 1話.初恋
今、君がこれを読んでる頃、私はこの世にいないであろう。
私は初恋した。
それは、私が小学校3年の頃に芽生えた。あの子は可憐でおしとやか、クラスの中心的人物であった。それなのに私は比較的内気な子で、誰とも接しなかった。おそらくあの子に、嫉妬していたのだろう。憧れていたのだろう。私はあの子みたいになりたかった。でもそれは叶わず、あの子はどこか遠くの国へ帰してしまった。
私の目には塩水がたまる...
私は後悔をした。
一度でもいいから、あの子に私の想い。それを伝えたかった。でも伝わらない、あの子は遠くの国でただ私を見つめるだけ...
だからは、願うのだ。この恋の成就を。
私は考えた。
本当に、私はあの子に恋をしているのか。実はさほど想ってないのでは、とさえ考えた。二人の関係は生前よりずっと深くはなかった。でも今、私がこんな気持ちになるのは、あの子が帰したからなのか。
私は思った。
私は今でもあの子のことが好き、恋していた。それは確実なのだ。理由としては、あの子の夢を今もなお見るから、君が私に恋というものを教えてくれたから。恋は盲目かつ永久的である。来世でも来来世でも、恋する気持ちは尽きない。そしてその恋は自身にとってまったく気付かないものだ。
だから、私は祈る。
命の灯火が尽きる一歩手前、君は私が今から書いていく恋文、すなわち弔いのラブレターとともに火葬をしてはくれないだろうか。これが君にする、最後のわがままとなるから...
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