魔法界
第4話 あの子、、、
「うっし、ディーンいくぞ」
ほどなくして、ルイナさんが部屋に入ってきたと思ったら、急に抱きつかれた。
次の瞬間には見たことの無い街並みが広がっていた。
「キョロキョロすんな、長老様の所へ行くぞ」
何が起きたか分からない俺をよそにルイナさんはずんずん歩いていく
石造りのこの街は上空に球体の島が浮かんでいたり、観葉植物、街灯も浮いたりしている。
それだけじゃない、何かこの街は違う、、、
「ルイナさん、ここは?」
「おう、ここは魔法界だ。お前も気づいただろ、今感じてる力は魔力だ。」
魔力?
人工物のプロテクトコアとは違う、自然に湧き出てくるようなこの力は魔法なのか。
「でも、どうしてここへ?」
ニヤッとこちらを見てきた。
「ハンター、なりたいんだろ?」
「うん!」
「なら、そのスキルがなんなのか調べて、ひたすら修行だ。そのために長老様におまえのスキルを見てもらうのさ」
「でも、そもそもここまでどうやってきたのさ」
「空間移動さ」
道中、ルイナさんから様々なことを聞いた。
プロテクトコアはスキルがひとつしか使えないこと、人間界では遠隔で影響を与えるスキルを使うのは禁止されていること、プロテクトコアの超過使用をすると精神、肉体ともに崩壊し人外種というものになってしまうこと、ハンターは次元の裂け目(ゲートと呼ばれている)から次元獣(キラー)が出現する。それをハントして生計を立てること、それらを聞いていると疑問が沢山出てくる
「スキルはひとつって言ってたけどルイナさんはたくさんのことが出来るよね?」
「私は、魔道士だからな」
「空間移動は遠隔スキルに入らないの?」
「私は、魔道士だから特別だ。」
そんなことを聞いている間に長老様の家に着いた。人里離れた林の中の小さな村、そこのいちばん大きな建物に長老様はいた。
「長老様、お久しぶりです。」
小さなシワだらけの老人にルイナはそう言った。
ルイナよりも小さく、腰は曲がり真っ白な髭はヒョロヒョロと地面スレスレまで伸びていた。それらしい杖をついていて、いかにも長老様といった感じだ。
「ルイナよ、久しいの」
小さく落ち着いた声だ。心地よかった。
「それより。隣の少年がルイナの言っていた子かね」
空気が少し変わった。言葉で表すなら戦闘態勢と言ったところだろうか。ルイナさんもそれを感じていた。
「はっ、はい、そうでございます。」
俺の方に少し向き、長老様は言った。
「ルイナと2人だけで話をさせておくれ」
優しい声だ。だが俺は、声が出なかった。強い威圧のようなものを感じた。
そして、ルイナさんと長老様は部屋の奥へと姿を消した。
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「ルイナよ」
「はっ!」
ルイナも長老様の威圧に押しつぶされそうになっていた。
長老様は一呼吸おいて続けた。
「あの子.......」
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