椿

私は椿花、

血色の花。

謙虚な美徳を抱き、

控えめな美しさを愛す。

だけどそれはどうやら罪だったらしい、

心を許した挙句に体も朧げに落ちた。

椿を魂に飾って、

私は血の色に染まる。

犯罪の色を飾りながら生きる。


あなたはどうかしら、

その首には血の花びらは散るかしら、

嘘にその魂は許すのかしら、

こんな私を。

卑しい私を。

椿の花を。

だけれど、私が消えたら、

許して頂戴、

許して頂戴、

落ちたあなたの首に口づけを。

その花私が拾うから。

私は椿花。

真っ赤な椿。


醜くて卑しい血色の花。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る