タイトルで引きつつも、読んでみたらビックリ。異常なほど面白かった。ここまで引き込まれて夢中になって読んだのは久しぶりでした。読めば分かるし、読まないと分からない、そういう作品です。人気のエッセイから飛んで、読んで見ましたが読んでみて良かった、そう思わせてくれた作品です。実に楽しい時間でした。
パワハラ激務で精神すり減らされ、自暴自棄になった青年は招き猫のタマさんと出会う。招き猫が側にいると福が舞い込んでくると言われるも、どうにもうさんくさい……訝しみながら始まるタマさんとの共同生活。あまり実感はないものの、確かに少しずつ普通の日常と幸せを取り戻していく主人公。穏やかで優しい、疲れた身体に沁みるビールのような妖もののお話です。天さんのバー、どうか潰れないで!