AI内閣総辞職
黒幕横丁
プロローグ
第0話 終わって巻き戻る
人工知能。AI。
今現在、人々の暮らしを豊かにしていくために必要不可欠なものとなっている途中だ。
彼らは何だって出来る。家事だって、仕事だって、はたまた遊びだって。
パートナーになってなれる。お友達にももしかしたらなれるだろう。
自分の子どもにだってなれるかもしれない。
そんな彼らが、これからもおれたちの暮らしを更に発展させていくだろう、AI万歳! AIは素晴らしい!
は? そんな訳あるか! 馬鹿も休み休み言え。
今だから言える。おれはAIが大嫌いだ。
***
首相官邸。
やっと見ることが出来た空は全てが終わったことをまるで労っているかのように快晴であった。
おれは沈黙している黒い画面の前で力が抜けたかのように座り込む。
長かった。いや、比喩でもなんでもなくマジで長かった。
約二年。おれが目の前の画面と戦っていた日数。
思い返すと更に疲れが募ってくる。
「長かったー!!!!!!!」
おれは心の声を駄々漏れにして大の字になって寝そべる。
ここが国家の中枢であったとしても、そんな事知ったものか!
これからやってくるであろう、あの人たちに怒られたら怒られたでなんとかしよう。今は起き上がる体力すら惜しい。
「あー! もう、帰ってから暫く引きこもる!」
こんなこと、二度とごめんだ。
「Sachi……」
おれはさっきまで会話していた人工知能の名前を呟いた。
アイツはアイツの役割で動いていた。だけど、それが人間には不都合であったから消した。
……。これが正解かどうかは、今のところわからないけれども。
――いつだって、オワリはヒトのエゴだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます