彼女の笑う顔

プラのペンギン

第1話

彼女の笑う顔が大好きだ。


出掛けたときにかわいい服を見つけたときの笑顔は、口と目が大きく開いて服から目が離せなくなっている。僕はその笑顔から目が離せなくなる。


授業中教室で目があったときの笑顔は、いたずらっぽく歯を見せて「ニッ」として笑う。自然とこっちも同じ顔をしてしまう。


美味しいものを食べてるときの笑顔は、目を閉じてその美味しさを味わっている。君の幸せが伝わってくる。


なにか企んでいるときの笑顔は目が細くなって、口は横に長くなる。それを見たら僕は目を光らせる。


お互いを意識し始めたときのぎこちない笑顔は、困ったように細くなった目とつぐんだ口でお互いを照れさせた。


僕が告白したときの笑顔は、真っ赤でくしゃくしゃでこれでもかってほど目を瞑ってた。多分僕も似たような顔をしてた。


海できれいな景色を見たときの笑顔は、静かに波に光る陽を見つめて見惚れてた。瞳に陽が反射してきれいだった。


喧嘩して仲直りしたときの笑顔は、口だけ笑って目はまだ泣いてた。おかげで僕のシャツに濡れ染みができた。


僕より先に起きて僕の寝顔を眺めてるときの笑顔は、優しさに包まれた細い目と微笑みかける口がとてもきれい。

それで

「おはよ」

って言われるのが僕は大好きだ。

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