エピローグ 彼女のために
それは、人生で最も最悪な日だった。
両親が死んだ、
僕はすべてを失ったかのような気分になった。
楽しい時、悲しい時、たくさんの思い出を共有してきた家族は、もういない。
葬式後そんな気持ちで親の亡骸の前で泣いていた。
「はるちゃんは一人じゃ無いよ、私がいるもん」
幼馴染みだった美空この一言に、6歳の僕がどれだけ救われたか、きっと彼女は知らないだろう。
この時から彼女は僕の希望だ。
その後、僕は親戚の家に引き取られたが彼女の家によくお世話になった。
あの日から1年後、彼女の病気が発覚した。
二十歳までは生きられないそうだ。
僕は絶望した。
また大切なものを失うのか、唯一本当の意味で心を許せていたのは、彼女だけだったのに。
「ねえ、私病気なんだって、、またはるちゃんに辛い想いさせちゃってごめんね。」
彼女はどこか悲しみの混じった笑顔でそう言った。
こんな時まで僕の心配を、なんて優しいんだ。
そして僕は思った。
なんでもう彼女のことを諦めているんだ。
まだ死ぬと決まっていないのに。
僕は彼女に救われたのに、僕は、
「大丈夫、みーちゃんのことは僕が救うよ。」
そうゆうと彼女は泣き出した。
このとき誓った。
もう決して美空のことを諦めないと。
必ず救うと。
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