第十一話 飲み込む
その夜、夕食にはアクレイオスも同席した。
面倒な話と褒賞の話
疲れを食事が癒してくれるとばかりに酒と食事を楽しむ。
堅苦しいものも、腹の探り合いもなしに食事は癒しになる。
「褒賞分をどう出すか悩む。」
「そんなに何かしたっけ?」
セリの意識の希薄さはあるが、魔木の封印に対する報酬だ。
グスタフの手伝いであったと固辞しようとも、関わった者に放出がなければ他が立ち行かない。
以前の急遽参加したものと違い、正式に感謝が必要な功績だ。
魔木の恐ろしさを知らぬ世代とはいえ、防げた恩を形にするのもアクレイオスが議長である仕事の範囲だった。
「家か?」
大きな物で払いたい。他とのバランスがあるたmr、出さな過ぎも問題なのだ。
「家?いらない。」
「んー、セリへ贈るのは難しいなあ。」
その調査でもあるが、食べ物や魔導具はセリは環境で必要なものはない。
竜人ロードが財布があり、手に入る。
「宝飾に興味がないようだしなあ。」
「本?」だろうか。
「私は良いと思うが、極北の城としては、問題か?」
特別や変わった本が嬉しい。
「難問だなあ」
ハハハと楽しげに会話が進んだが、ここで残念なお知らせが入る。
「今度来る騎士と兵士が面倒そうでね?」
「じゃあ、会わねえ。」
ロードの答えは簡潔だった。
「たぶん、挨拶に来るぞ。」
「断る。」
客人扱いのロードが、望むならそうようにするのが接待というものだと思うが、それが通じない人種というのもある。
「貴族の坊ちゃんだもんな。」
特権階級、横暴に異を唱える事を許さず。我が行動こそが正義。
「会いたくない」
そう、面倒でしかない。キースがいても数と立場で押しかけるだろう。理由など適当に挙げられる上に、こちらの意思も曲げられてしまう。
「とりあえず会わないのが基本的な措置?」
「これでもかって、面倒なのが詰まってた。」
なんていらない、贈り物。送り者だった。
そんなしょうもない事を考えたセリだが、会いたくなくなるのは確かで。
教会に帰りたくなった。
しかし、獣人の国にも行きたい。
「さっさと入国するか?」
それが可能とは思わない。多分、妨害めいたものがある。何かの理由で遅れるっていう。
「どこか、遭遇しないところに行きたい。」
「面白そうな候補地ならあるんだけど?」
そう言い出したキースは、自身も行くつもりだと皆が察した。
そういえば、この城に残る理由はそれほどない。
どこかがあるのなら、行ってみるのも良いかとセリが続きを待つ。
そこへロードと行くと疑わないし、もちろん離れるつもりなどなかった。
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