シュルトの収支記録①
『極北の城』は弟の1人が、お世話になった所だ。ウチは代々商人で、縁があって家族に弟妹を迎えている。ワタシより歳上や手に職のある者は商会で雇っている。
なので、弟妹ばかり増えていったので長子はワタシだ。この喋り口調にした経緯は話したくないので割愛。
対した事ないワヨ?まあそのうち話しても良いワ。交換条件でそっちの事も教えてもらうケドネ。
そんな縁で度々、寒い時期にあの城に泊まっている。
商人としての許可を得ていて、獣人が多い環境で人族主義の国と森を挟んでとはいえ、隣接しているから人族は嫌いって言う人も居るケド。顔馴染みも増えて、のんびり商売してるワ。
『あの国もあんなではなかったんだが』と言っていた昔っていつヨ?
獣人の国、極北の城の場所もあり獣人ばかりだ。その中で過ごすのも慣れた。
常連の男の薬を用意しているのもココね。回復ポーションに近いけど、調整が必要な物。グスタフがいるので、丁度良いタイミングだ。
今回が初めてでもない、なんでもない冬越えで終わる筈だった。
「ロードが来るの?!」
まず、竜人が来ると恐れ慌てている周囲からの情報。
ロードとは面識があった。護衛として雇い共に過ごしたことがある。会話に答えてくれるし、文句はスッパリしているから嫌な客ではないワヨ。
やり甲斐があるくらいヨ。
金払いが良すぎて、破産しないか心配になるケド。お金を便利に使うって言うより狩りで得た分使うってスタンスね。
お節介してたらその後、御用聞きみたいな立場になった。他が会いたくないって言うのヨネ。獣人は本能的に恐れの対象らしい。
ワタシにとっっては良い客だ。上客の部類。
こだわりも強いけど、それだけ面白味もあった。
賓客として招かれているため立派な貴賓室を使っているので、何回か訪ねるケド。特に難題でもなんでもない売り買いをして過ごした。
豪華な部屋に驚くケド本人は、広さを気にせずマイペースよね。
理不尽な文句もないし、付き合いやすいワ。
そんなイレギュラーがあっても顔見知りに挨拶して、過ごしていた。
グスタフは今回も研究のかかりっきり。
キースまで居て、久しぶりに話し相手をして。
常連の男の薬は準備ができて、取りに来たら渡せる状態にした。
ロードの狩りの成果はマーケットに出したり、ほどほどの交流はする。一気に高級な物を出せば値が崩れるという危惧はできないロードだ。
そこはワタシの腕ヨ!
そこそこ予定を詰めてる動いていると、慰問に医療棟へ入る許可が得られた。
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