収支記録②

特に医療棟へ物を卸す


幼い子供が治療を受けている場合もある慰問の意味もあるのヨ。

少しでも寂しさを紛らわせられると良いケド。


薬学が盛んで、衛生士が学んでいる。


そんな予定通りの冬籠りだったけど、イレギュラーっていうのは突然来るものヨ。そういうのしょっちゅうあるケド。


議長からの依頼はそう珍しい事じゃない。ちょっとした世間話をして、荷物を届けるとかネ?


会った時、お願いされたのは保護された子の慰問だ。弟妹が多いから、小さい子から気難しい子も慣れてはいる。話を聞き出すくらいはできるカシラ?


保護する対象は、たまに受け入れるらしい。城を出れば過酷な環境だ碌な装備がなければ余計に、命を脅かす。


魔道具が充実しても、手に入らなければ意味はないし。

商人としては、そこのところも考えたくなるワ。ワタシ1人の力なんて、微々たるものヨ。


それで、人族の子を保護した事。隣国の子が逃げて来たのかときな臭さーいものがあるじゃ?って考えたんだケド。


「ロードの番?!」


吹っ飛んだわヨ。獣人の文化でワタシは一目惚れと解釈している感覚。

運命としいぇ尊重してきたものの、その悲劇的な結末に繋がる事も多い。


番問題として、今の王都では触れられないくらいデリケートな問題になってるの。


それに、竜人の番は攫われて籠ってしまう。どれだけ騒動を起こしたか。狩りを生業に強靭な肉体と魔力を持っているから、名を上げた存在。故に貢ぐ。そして、番への執着は死してなおと言われる程だ。


後に、『竜人の花嫁』という竜人の番になった女性が書いた本で、どんな状況になるかの実情と支援を求める内容が周知された。


それで以前よりマシに、なったカシラ。


今までの想像するしかない、女性達の待遇が分かり接触ができるほどになった。実際に会える者は限定的で男は拒否ってのが多いらしい。


ロードから聞いたのよ。


番を得ると、それぞれ巣籠る。それを共同の場所に決め花嫁達のために物を買うことができるよう、外との関係を続けているんだとか。


とても山奥の魔物も凶暴で閉ざされる地


どんな所か気になるケド、男は来るなって?

番を得た竜人とは別に、若い獣人が暮らしている集落も近くにあるらしいから、そこで泊まってみたいワネ。


ロードの持ち込む魔物の素材も綺麗で丸ごとなのヨ。

珍しいし、かなり良い儲けで文句も来ない。


ロード本人が遠慮している訳じゃないの。まあ信頼の証と受け取っておくワ。


そんな大勢狩人がいて商人が来ない場所って、儲かりそうでショ?

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