19-テントの痕跡


「ポーションあるのは助かるでしょうネ」


町での様子をお茶を飲みながら報告会。


その間も船は進んでいる。

今日行くポイントまで


船が隠れる

安全を確保できるポイントへ


村に行くかどうか

食糧を持っていけば、怪しまれても冷たくはされないだろう。


冬籠りの時期が長かったようだけど、切羽詰まったものは感じなかった。


予定のポイントで、夕食用の狩りをする話

テントを張っての


今日の1日の行動にする話がついた。


夕暮れまでには、行きてーな。


天候も魔物の襲来もありませんし、すぐ着くと思います。


魔魚が食材になったくらいで、脅威を感じる魔物は出ていない。


到着。


地面に降りたセリが浮遊感をすこし感じる。


船酔いはないようで、快適だった。



キースも参加だ。


カナンが置いてけぼりで、

護衛2人がつく。


シュルトもテント張りの方につく



出かけるメンバーは、グスタフとキース、セリとロード。護衛に2人の6人で狩りをする。



「周辺調査も兼ねる。」


雪が深いところもあり、セリが埋もれそうなのを

ロードが抱き上げることで回避して。


キースが一面の雪を溶かす場面もあった。火力が凄いのでちょっと温かくなる。



セリはその過程ででてきた、雪に埋もれてたいた葉っぱを採取する。

「これ入れると、スープの嵩が増す。」


ネギのように使う食材、ゲットだ。狩りの獲物は見つけたら狩るくらいの狙いで、ぐるっと拠点周りを調査する。


木の実や、すれ違う小型の魔物も声も何もしない静寂だが、少し積もった雪が足跡を残す時に音を立てる。


それでも、雪解けは始まってすぐにここも緑になるのだろうと予感させた。生まも育ちもこの辺りのセリの勘だった。


そうして結構な距離を歩く中。森のすこし開けたところ。

テントが放置されていた。


雪に埋もれ、その中に荷物はない。逃げ出したのか、邪魔になって捨てたのかはわからない。


「10人以上はいたかな?」

「商人ではない、町や村人の装備ではないだろう。」


“職業軍人のもの”と兵士達も頷く。


「北の砦からの人?」


セリが、見た記憶のあるテントだった。


「経路としてはあり得る。」

「血痕はないから、襲われて逃げたって感じじゃないね?」


「放棄だろ」

ロードが結論を言う。


高価でゴテゴテのテントがないことから、最終組みがなんとか帰りの荷を減らすために置いていったかと想像する。


ボロっとした、あり合わせ感のあるテント。

まだ先だけど、集落があると地図は記されていた。無事着いただろうか。


確認する必要もないので、

狩りを続行。若い鹿の魔物が成果になった。


「へえ。北の砦に兵士。」


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