18-遭遇の商人


「町を確認しようか?」


「そこで異変がどうだったか、聞くのネ」


冒険者と商人の設定で行くらしいが、怪しさは拭えない。


シュルトが商人として訪れた格好で、十分寝たセリの参加と当然だとロードが付く。


「そろそろです。」

船を操る兵士の声が届いた。


さっきまで船に乗りながらの食事は長閑で、武装の魔導具の値段を考えながら独特の動く音が響いていた。


今回は待っている人数のが多い。


「この音を警戒して、魔物が寄ってこないかもなあ。」

「魔物の出現も少ない。」


護衛に立っているカナンとグスタフが会話していた。珍しい組み合わせだで、キースが書き物をしている。


持ち出しの仕事だろうか。


待機地点に接岸して、セリは船を降りる。

雪も減り、歩きやすくなった様子の森はなんとなく人が通っている雰囲気があった。


「アッチね。」


シュルトを先頭に、町へと進む。


村の方が、警戒されるだろうという判断だ。できるだけ情報収集するなら、人の行き来のあるところが良い。


広場のような場所で、店を開いている男に近づいた。


情報収集は酒場は、当てはならないのか。

セリがいるしこういう町の酒場では、地元民が管巻くだけだ。情報は町の中のものになってしまう。


商売、しかも外との交流もあるだろう品を売る男にシュルトが聞く。

“人を探している、どこかで匿われてないかと思う”


商人同士としれて、身構えていた様子が肩の力が抜ける。

ロードが怖かったのか、セリが怪しいのか。視線で確かめたが、襲いかかる訳ない。


知った顔がいないか、セリはキョロキョロしていた。


「訳ありか。ま、じゃなきゃこんなとこまで来ないよな」

この町に駐在する商人ではなく、村と町を回っているらしい。


「舟も出る頃だ。もう少し良いもんが入る。今年は、特に魔物が凶暴でな。移動がなかなか進まない!冒険者付きで正解だぞ」


ロードを冒険者、セリは家族だと思われたのだろう口調だ。特に訂正せず、町の様子をきいた。


被害はないものの流通は滞った。貯蔵も尽きそうだが、魚も取れっし。


「干し肉の売買をしてもらえる?」


商売のやり取りになったので、近くの店と言うほど立派ではないが品物、

薬草を見た。よく知ってるものばかりで代わり映えはしないが、ポーションがある。シュルトに知らせた。


「薬師がいるの?」

「いいや、伝手で低級は置いてる。」


「一本買って良い?」

「干し肉と交換できるか?」


お金より肉のが良いらしい。


町の様子も知れたし、早々に船へ帰って来た。


待っていたカナンに挨拶し休憩をする。キースに熱い紅茶を淹れて、お茶を振る舞った。

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