39-森の調査
「調査の引き継ぎが終わった」
グスタフの報告から、
「よし、行こうか?」
北への調査に出るらしい。
これには着いて行きたい。キースにアピールしようとすると
「メンバーは?セリと、シュルトは一回休みで」
「一回休み?」
決めた距離と範囲を調査した後、拠点に帰って休む方式らしい。
「体力とスピード勝負。でも、セリが気づく情報は欲しいから。」
北の砦での調査範囲の検討の結果、地図上に書き込まれている。
「拠点の南側は任せておける。北側は最初に広範囲を見て、その後進む道を決める。」
「だいたいの予測が立ててある上での調査。採取、魔物の観察も行う。」
グスタフの調査の延長上にあるらしい。
「セリは、第二弾かな?」
広範囲から絞られてからの出番らしい。全部参加は難しいのかと諦め良いとしたところ
「俺が行く時はセリも連れて行く。」
それは良いけど、邪魔では?と見れば別方向から追随があった。
「いない方が、危ない」
(俺らが!)
と内心カナンに付け加えられ、セリの同道が決定した。
ロードの背で揺られる日々。と言っても日のある時間に帰っている。
拠点、そのポイントを確認をするだけ。
極北の城からは川が入り組む地帯は、迷いやすい。
雪によって隠されてしまう目印もまた多かった。
そんなポイントを探す4人だが、速い。正確には、3人。
グスタフは慣れたようにフィールドワークをこなし、ロードとカナンはその身体能力から慣れていない雪道でも足取りは軽かった。
荷物に、セリを持っていても。
基本、グスタフは案内の先頭。間にセリを背負ったロード。その後ろ、セリの様子を伺うカナンだ。
何回も荷物なだけでは?と思うセリに、円滑油になってるから!
とフォローをし続けたのはカナンだ。
正直、進むには確かにお荷物だけど、実際3人だけでの移動であれば…
ロードが荒れる。置いて来たセリは大丈夫か?ささっと帰ろうと態度で圧で訴える。
その心労たるや、尻尾が凍りそうだわ。
セリちゃんがいるからこそ、任務に集中しているセリがいる。背負っているから両手も空くし、オレが守ってるから!
お陰で、グスタフの調査も次々に移動ができた。
早々に着いた目印の場所。そこに変化がないか、魔物の遭遇具合から調査は記録されている。
慣れているから速いな。
そうしていると、魔物の群れと遭遇した。
「ウルフ系か。」
「ウロウロしているなあ。」
アイツら毛皮があるし、寒さには強そうだけど。
「縄張りか?」
「いや、メスも出ているとなると移動かもしれん」
狩りに出たのではなく、群全体での移動と見たようだ。
(セリが狩りしていた範囲にウルフは会ったことがない。)
まだ北の砦は遠いのだろうか。
移動するものを目印にしても意味ない気がするけど。
群れはこちらを気にしつつも、去っていった
「ウルフによく会うな」
「起き抜けの時期だ。遭遇率は高い」
次の目的は実のなる木らしい。
「近くに洞窟がある。刺激しないようにな。」
魔物は洞窟に潜みやすい。
通るだけなので眠っててもらおう。
そんな少し緊迫感もあったが、拠点に戻ってきた。まだ日が高い。
帰っていない組みは、兵士組み。
護衛の3人は拠点に居た。調理中のビクトールに近づく。
「根を使ったり、すると体がポカポカになるデス!」
なるほど、衛生士の知識が役立っている。
他の2人は料理ではなく、キースの護衛か。
「あったかい飲み物どうデス?」スパイシーな香りのお茶を貰った。
シュルトから渡された間食、おやつが付き。腹持ちの良いものは心にも嬉しい。
グスタフとキースは情報を集めて検討している。「いつもより早いの?」
「範囲内だが、魔物との遭遇が…」
乗っていただけなので、とくには疲れていないセリは会話を近くで聞いていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます