第40話 子供だから

「騒動を起こしたな?」


議長エルフの前。

セリ、ロード、カナンの3人と、シュルトも同席。


(シュルトのポジションはなんだろう?)

保護者、通訳、フォロー役


「子供にやらせて良いと思ってるノ?」


(お節介役)

シスターの言葉を思い出した。

“お節介だと疎まれようとも

言う事は伝えます。貴女がく聴くことができるうちに。”


誰かの死を思い出したんだろう。真剣な目だった。

(懐かしい。)



「セリも、ヨ?」


(おっと飛び火した。それでも…)

「子供に毒を盛ったのは許せない。」


きっぱりと伝える。


「お前も守られるべき子供なんだがな。」

議長はどこか寂しそうだ。



そうは言うものの2度目への警戒も大変だ。遅くなれば、

余計に疑惑も深まるし亀裂が入る。(もう入ってるかなあ。)

最適解と思うけど、考えるところがあるらしい。


ロードは側にいるけど、カナンは診察を受けていた。

獣人にはキツい刺激袋は、危険物で許可のない扱いを禁止されている。

居住区域に流れ、香りが分からなくなる可能性もあるとか。

人間より高性能故か。


2人ロードとカナンを無力化した後、

私を脅すつもりだったらしい。


鼻が良い獣人には少しでもキツく、治療をしても治らない事もあり得るのだとか。


「アイツらだが、矯正訓練の命令、監視がつく。」


動機は、私への尋問で、褒章を上げることばかり

若い兵士で、(人族との戦いに出たこともない兵士が何言ってるんだろ)

というのがセリの感想だった。



「後は任せる。」ロードはもう興味ないようだ。


私への嫌がらせの毒で、子供達にまで被害が出た。

療養中の子達が悪化しなかったのは対処が早かったから。

「きっちり反省させてほしい。」


恨みはないのか?

実は、口を覆っていた布を狙って水魔法を撃てば


呼吸できない。

暗殺できるっておふざけで教えてもらった知識なんだけど


バッチリ効果あった。

セリはやり遂げた気分だった、

ロードが気づいて凍らせると言う所業が行われていた。


相手は呼吸できないし、冷たい。そして動けないでパニックだった。


それを飲み込み、ため息をひとつ「わかった。任せてくれ。」


症状が出ている実行犯も被ったのかと思ったけど、カナンは

風の魔法で、吹き戻し吸わせたらしい。


カナンは少し吸ってしまったんので

医師から、薬での治療を勧められている。一番のとばっちり


護衛として頑張ってくれた。

お見舞いに何か贈ろうと思う。


ロードは魔法で防ぎ、セリにも被害はない。


若い年代には遠い過去でも

年長者は、国にいる人族との友好があった。戦中の

嫌悪感はそれぞれ人で違うとはっきり分けられている。



“子供に向けるものではない”


知ろうとしない子供は、そうは思わないようだ。

上官からの尋問を睨みつけ、毒を吐いている。



その声と逆に

「オレ、仕事休み〜?」


「しばらくそのまま専属護衛だな。」

「あ〜、しばらく休みくれない?」


「?何か不調か。」


「治療に通う必要があるんだが、薬がな」


「カナンさん!抵抗しないで」

「あ、ちょ」


ボフンっと煙が出る。


セリがその様子を見つめる

(魔力の煙?)


いつかセリ見た、狼だ。


その大きさより、警戒、驚きを上回って



欲望が出た。

ロードを見るも、すんなり頷いてはくれないようだった。


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