預言者エルマの七転八倒人生 破滅フラグは足音を立ててやってくる!

野良ぱんだ

1章 エルマさん預言者になる

第1話

異世界転生ってよくある話だけどまさか30歳のガチゲーマーな喪女の私の身にそれが起こるとかウケるww


これが普通なら乙女ゲーとかの悪役令嬢が普通じゃないですか...まさか思いっきりダークでハードなSRPG『ミスティックタクティス 双翼戦争』、長いので『ミスタク』ってこれから呼ぶけど、そのゲームも後半の敵将のエルマ ライゼンハイマーって貴族の娘さんに転生しちゃった訳よ...


ちなみにエルマさんは薄いグリーンのストレートヘアにアーモンド型のピンクダイヤモンドの瞳でめっちゃグラマラスボディの美女である。


ちなみにラスボスである簒奪王ジルヴェスターに恋慕してる側近でえげつない回復役でエリアヒールとリザレクション使いまくって復活させてなかなか攻略し辛いステージのボス...しかもそのステージ後のイベントで主人公サイドの側近で影で暗躍しているディビドというキャラが主人公の居ないところで『王妃を夢見てたあの女は今頃兵士達の慰みモノに...』とか言われてたエルマさんですよ!


なんでその側近に憎まれてるのかはまぁエルマさんのパッパが側近の大切な人を惨殺させる出来事を起こしたっていう理由があるからそりゃあねぇ...とか思うけどさぁ...でもエルマさん直接関係ないのに...ううう


やべぇエルマさんの貞操!喪女に輪○とか無理だわぁ!


うっかりファンアート探しで間違ってエルマさんの男性向けのその輪○凌○モノ思い出してぎゃーって叫んじゃったもん!


きっとミスタクのストーリー書いた人絶対ドSの変態だったんじゃないかと思ってるのよ!


だってラスボスのジルヴェスターだって父王と身分の低いメイドから生まれた第二王子で王太子にはもう子供もいるから王位継承権が無かったのに、王家と血の繋がらない王妃に復讐するために継承件持ってる王族全員皆殺しして王位を簒奪した理由がえげつないもん!


ジル殿下(長いから略した)の有能さと美しさに王妃嫉妬して、ジル母とジル殿下が養生のためにってジル母の実家に向かう途中で王妃が雇った暴漢に襲われて、ジル母がそれを苦に自害するんだけどガイドブックにはジル殿下もまだ14歳でジル母の目の前で性的に襲われている事が書かれてた訳でまぁ酷い!もしワタシがジル殿下でも恨みから復讐しかねないわぁ~とんだトラウマものよ...


ちなみにミスタク主人公君も実はジル殿下の12歳離れた兄で王太子のコンラート殿下の息子でまだ若い時に村娘と恋仲になって生まれた子(計算上16歳で!)で、ストーリーの後半で判明する事実であるのだが今考えると身分低い女性に手を出す癖のある王族ダメだろうよ...とかマジで思う。


ちなみに主人公君は名前と姿を自分でカスタマイズするタイプのゲームで受け答えも『はい/いいえ』系で進むタイプなのでこの世界で探そうモノなら結構難しい...しかもストーリー始まるのがジル殿下と敵対する騎士団に入る所からだったしねぇ


ちなみに隠れパラメータ『支持率』でエンディングが変わるのだが、ベストエンドで簒奪王ジルヴェスターを倒して英雄王として王位継承、条件がかなりシビアだがトゥルーエンドでは幼なじみのお姉さんと旅立つエンドだった(ちなみにバッドだと側近に殺されて終わる)


という訳でなんとかやべぇ目に会いたくないので何とかしなきゃならん!と言っても現代知識チートとか無理だしなぁ...と思ったけど閃いたのよ!


このゲームのガイドブック超読んでたから実はゲーム開始前の出来事含めこれから起こる事全部知ってるのだ!


つまり『エルマさん預言者って事にしてまるっと双翼戦争回避させる計画』をたてたんだなぁww


生憎転生したのがまだ5歳のちびっ子だったから時間はあるし、預言者に関しては国教であるトラウゴット教でしばしば現れるので、幾つかの災害やら隣国との小競り合いを正確に娘溺愛のブルーノ ライゼンハイマー侯ことパッパに伝えて『うわっ...ウチの子預言者?』って信じさせて、教皇様(司祭服着てる姿がどう見てもてるてる坊主にそっくりのおじいさん)やヘルムート枢機卿(母の兄でトラウゴッド教所轄領であるバーレの領主でもある)にも預言者って認めさせて(この時代に預言者が現れるなんてといいおっさん達が狂喜乱舞してドン引きしたのは内緒)バーレのトラウゴット教の総本山であるアルトマイヤー寺院で生活する事になったのだよ!


清貧な生活をするかなーと思ったけど流石に預言者様って事でそれなりに困らないし自由な生活をする事になったのだ。


だがアルトマイヤー寺院にあえて来たには訳があるのだ!


このアルトマイヤー寺院の地下墓地がゲームの主人公達がレベル上げする為のダンジョンになってる為なのだ!


そう!エルマさんレベル上げこっそり行って何かあっても逃げ切れる力を持つ為このダンジョンに挑む事にしたのだ!


このダンジョンだがラッキーな事に出てくる敵が全てアンデッド属性が必ずつく所だ。


何故アンデッドでないといけないのかというと、生身の生物や人を殺害をすると善行値が下がって回復をメインとした神聖言語系の術を使えるプリーストや上位クラスのビショップになれないためである。


しかし回復術だけではレベル上げが難しいがアンデッド属性の敵に対しては浄化扱いでむしろ善行値が上がるし回復術『ヒール』『クリアランス』『リザレクション』でダメージを与える事ができるからだ。


そして善行値をMAXにさせて神聖言語系術を極めると『神罰系』と呼ばれる攻撃系の術もとい奇跡が使えるのだ。


しかも神罰なのでこれで攻撃しても善行値が下がらない優れものである!


ちなみに神罰系はトラウゴット教の聖典に書いてある5つの神罰『裁きの鉄槌』『蝗の災厄』『絶滅の雹』『火と硫黄の海』『神罰の雷』で前半二つは単体と範囲指定系に属性無視の打撃属性の攻撃術、後半三つはマップ全体に攻撃を及ぼす其々の属性付きのエグいものばかりである。


ちなみに聖属性はしっかりついてるのでアンデット系は即死レベルの特効付き!


エルマさんは一応クラスはプリーストなのでビショップへクラスチェンジしてそこまで極める予定であるのだ!


そして地下50階のボスのダークリッチを倒して伝説(ただしクリアすれば何度も手に入る)のエクソダスロッドとオラクルローブ(聖職者系最強装備)をゲットして単身で後半の敵将くらいなら倒せるくらいまでの準備をする予定なのである!


そこまで強くなるにも一応訳もあり、この先のジル殿下が暴漢に襲われる事件を潰しておくため、流石にそんな非道知ってる以上見過ごせないのでトラウマ回避し、コンラート殿下と仲良くやって頂き王家惨殺事件も回避して双翼戦争が起こらないようにできればと思ってるからね!


で、10歳になった頃からこっそり地下墓地で篭って浄化をずっと行ってた訳なのだよww


「エルマ様、もう48階を何周する予定なんですか?もうここだけじゃレベルも上がんないですよ!」


「仕方ないじゃない!ここのボスのレアドロップアイテムの『ジェネラルアーマー』が無いとマックス氏が辛くなるだけなんだからね!」


マックス氏...いかにも兵士Aの見た目のフルフェイスの兜を被った神殿騎士の見習いの10歳の少年を共犯...いや協力者になってもらいダンジョンを攻略している。


マックス氏は先輩の神殿騎士見習いに虐められてフルフェイス越しでシクシク泣いてるのを見てられず『あの連中ぴえんって言わせてやろうじゃないの!』って声をかけた所からの付き合いになる。だいたい1年くらいになるかなぁ?


ちなみにマックス氏はエルマさんより1、2歳くらい年下である。かわいい弟分である。


神殿騎士は表情を出す事を良くないとの考えがあるらしく、全員フルフェイスの兜がデフォなのだが、マックス氏はその兜越しでも表情がわかる少年だ。ちなみに未だにマックス氏の素顔を見た事はない。(まぁ神殿騎士全員の素顔はそもそも解らないのだが)


かなり懐かれて『本物のエルマ様の専属騎士になる為更に強くなります!』と言われている。


まぁ最近は実戦で前衛を守ってくれてるからほぼ専属騎士みたいなものなんだけどねぇ。


ちなみにマックス氏、ダンジョン10階攻略時に先輩騎士見習いには神殿騎士昇格試験の際にぴえんって言わせてる。


今じゃ見習いの中でも1番強いはずである...いや神殿騎士全員より強いかもしれない...だってもうナイトすっ飛ばして最上位クラスのガーディアンにも隠密にもビーストライダーにでもクラスチェンジできるレベルまで上がってるからねw


ちなみにエルマさんはビショップにクラスチェンジさせて今神罰系の『蝗の災厄』と『神罰の雷』が使えるようになったよ!


使えるようになった以上教皇様とヘルムートのおじさまに伝えたらおじさまにはお説教された(お仕置き付き)ものの『12才で神罰系の奇跡を2つも使えるようになるなんて悪魔に操られた敵国からバーレの民を守った聖ジョシュアの再来か!』と教皇様が狂喜乱舞し大いに祭ろうとされたのを全力で辞めさせた。


そんなこんなで12歳の美少女と10歳の全身フルアーマー少年のちびっ子2人仲良くレベルが50に達してた訳ですよ!


「来週は王都に行かなきゃならんからダンジョン篭りはお休みなんだよねぇ、もうちょい頑張ればダークリッチの階層で欲しい装備揃えられるんだけどなぁ」


なんとかジェネラルアーマーをドロップできたのでマックス氏に装備させた後、49階前に上級ポーションや術酒(酒と言ってもアルコール0%の優しさ)をちゃんぽんで飲みながらぼやく。


「王様に謁見するんですか?」


「そうそう、神託を告げに行かなきゃならんのよ...これからいろいろキナ臭い出来事が続くからねぇ」


「前言ってたジル王子の事とかですか?」


「そう!ちょいとやらかす前に王妃を〆てやらんきゃならないからね」


流石にマックス氏まだ10歳なのでR指定内容は教えてないけど、双翼戦争やジル殿下の事件などはこっそり教えている、ちゃんと口止めもしてるしねwちなみにバラしたら蝗の刑を受けて貰うと脅してる。


「さぁて今週中にはエクソダスロッドだけでもゲットしますかねぇ!」


ちなみにエクソダスロッドは聖典に書かれている導きの預言者マーシャが神を信じる故に虐げられた私たちの祖先にバーレの地へ導き入れた際に持っていた奇跡を起こす杖であり、オラクルローブは預言者ジョシュアが神の前に純潔を保つ事を誓った際、神託を初めて聞いた時に身につけていたローブでその際に祝福がかかったと言われている代物である。


「エルマ様程々にしましょうね...」


そんな会話をしながら49階の攻略を開始し始めた。


でそのままスムーズに50階まで進み何とラッキーな事にダークリッチに覚えたての『裁きの鉄槌』(大きな燃える拳が振り下ろさせるビジュアルww)がクリーンヒットしダークリッチの骨を一撃で粉々にし速攻クリア!(だたマックス氏はダークリッチに近づく際にエルマさんの盾になって何度か死亡したからリザレクションかけまくって復活させた)細身でアーモンドの花と実の装飾がされ、降るとシャラシャラと音がする白金で出来たエクソダスロッドと白地のローブに袖なしの碧い長い上着がセットになっているデザインのオラクルローブをたった一周でゲットできてホクホクであるw


「エルマ様勝手に単身で突っ込むのは辞めてくださいよぉ~」


「いやぁだってなんか敵の攻撃とか範囲がわかるようになっちゃったから...ってえええええ!」


と言ってステータスを確認してたらいつのまにかクラスがビショップから預言者に変わってた!


神罰系全部マスターと敵の行動が3ターン前から分かるスキル『予知』とクリティカルヒットやアイテム出現率が上がるためのステータス『LUK』が勝手に上がる『神の祝福』が常時発動しているw


いやまて確かこのゲームにそんなクラスなかったはずなのに!あれか!もしかしたら製作者側で上位クラス用意してたけどボツにしてデータ使われなかった奴かも知れぬ!!


名実共に預言者になってしまったエルマさん流石に教皇様と枢機卿であるヘルムートのおじさまに話さない訳にゃいかないと思って、ゲットしたオラクルローブを着てエクソダスロッド持って2人の前に勝手に地下墓地で浄化してました(まぁ嘘じゃないし)らいつのまにか預言者のクラスになってしまってました、勝手に地下墓地に行ってごめんなさいしに行ったら教皇様大声で『五大神罰だけでなくその伝説のお姿...大聖堂に書かれていた導きの大預言者マーシャ様と同じ御姿…大預言者様の再来が!!!!』って叫んで平伏されてしまったのだよ...ごめんよ...エルマさん流石に本当はそこまで立派な訳じゃないのよ...


教皇様『大預言者様のために最大の祭りを!』って言ってたけど、それは流石に止めさせたよ、だって王都行かなきゃならんかったしね!


ーーーーーー


※ゲーム豆知識

ミスティックタクティクス 双翼戦争

通称ミスタク ガチでダークでハードな内容のSRPG(シミュレーションRPG)、オーバー30代な年齢のゲーマーに熱狂的なファンを持つ、強く続編を望まれるもディレクター兼プロデューサーが他社に移籍しており版権関連で揉めて続編や移植は絶望的な状況にある。

公式ガイドブック(別名聖典)は世界観やらを詳しく書かれており、ネットで高値で取引されている。


地下墓地

アルトマイヤー寺院の近くに封印されてる墓地、ゲーム内でキャラ育成に使われる場所で、本来なら攻略ステージと同じキャラクターが死者となって再度戦える場所である。


トラウゴット教

エアヴァルド王国の国教、国の成り立ちから存在しておりトラウゴット教の修道士や司祭だけが神聖言語である回復術を使える。

大きな出来事が起こる時には必ず預言者が現れ導くとされている。

ちなみにエルマは12人目の預言者とされている。



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