27

私がもし圭佑さんと結婚したら、子供はつくらない方がいいのだろうか?

すずとは母親が違ってしまうし、なんだかややこしくなりそうな。

ていうか今はすずで手一杯だし。


うむむと考え初め、はっとする。


子供の前に、私は本当に結婚するのだろうか。

圭佑さんは以前私と家族になりたいと言った。

それに対して私は段階を踏みたいと言った。


そのあとは何もない。


変わらず三人で暮らして、もうそれが当たり前のような、もしかしたらもう結婚しなくてもずっとこのままでも何ら支障はないんじゃないのと思うほどだ。


それに、すずの保育園に提出する書類の続柄を書くときだって圭佑さんは何も言わなかった。

むしろ現状で何が悪いんだという態度だった。


今でも圭佑さんは私と家族になりたいと思ってくれているだろうか。


「すずもねー、あかちゃんほしいのー。あかちゃんにねー、いいこいいこするんだー。」


「そうなの、すずは優しいね。」


「うん!すずやさしいんだよー。」


すずのあまりの無邪気さに、私は笑うしかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る