ボクっ子エルフのキミは今日もかわいいっ!

田仲らんが

☞【第1部】:「逃避行イチャつきにつき」

☞【第0話】:「老若エルフのくだらぬ密会」


 樹木で出来たツリーハウスで一人の老エルフと一人の若エルフが、さながら碇ゲン〇ウの如く肘を突いて密会している


 「フム…人界の魔法学院へ行きたいと。

 それは何故かね? 君のコトじゃ。

 なにか理由ワケがあるのじゃろう?」


 「えぇ勿論 ありますよ理由ワケが。

 というか貴方であれば既に気付いてる筈ですが?

 それにコレは貴方にも得があるというモノ。

 如何です?

 悪い話ではナイでしょう?

 私にとっても貴方にとっても…ね?」


 「ウゥム…そうじゃなぁ…。

 確かに悪い話ではナイの。

 だが一つ懸念点けねんてんがあるのじゃ。

 その懸念点を今此処で君が解消してくれるならば今回の件…儂自ら手を貸そう。約束する。

 何しろ可愛い愛娘のコトだしのぉ…」


 「交渉成立こうしょうせいりつですね。

 ご協力、感謝致します。

 それはさて置き…懸念点とは何でしょう?」


 「簡単なコトじゃ。

 彼奴を人界へ連れて行くのは良い。

 お主はあの豚共とは違いエルフが出来ておるからの。

 そこは心配しておらん。

 だがしかし。

 ワシには如何しても懸念点が有るのじゃ」


 「はて?

  其れは一体何でしょう?

 私自身心当たりが有りませんが…」


 「子供じゃよコ・ド・モ!

 お主のコトじゃから彼方に行っとる間に猛烈なアタックをするじゃろう。

 確実にな。じゃろ?」


 「えぇ…まぁ。

 一応、そのつもりでは在りますが。

 ですが、貴方としても其方の方が宜しいのでは?」


 「仲良くしたり多少なりともイチャつくのはゆるそう。

 彼奴らにられるよりもよっぽどあの子にしたら幸せだろうしの

 というより本望じゃろうからな。

 だがのぉ…皮肉なコトに仲よくし過ぎると駄目なのじゃよ。

 残念ながらの」


 「?」


 「全く此処まで言ってまぁだ分からんのかお主は。

 要するにに子作り、一線を越えてはならんというコトじゃ。

 意味、分かったかの?」


 「あぁ…そういうコトだったんですね。

 ハァ…子作り駄目なんですか?」


 「当たり前じゃろぅ、馬鹿たれ!

 里の掟を忘れたのか?

 両家の婚約ナシに子作りでもしてみろ即刻打ち首じゃぞ?

 まぁ、その前に儂が直々に殺すがの」


 「あぁ…在りましたねぇ…そんなの。

 困りました…。

 彼方で既成事実を作ろうとしていたんですが…本当に残念極まりませんね」


 「やはりの…見え見えじゃよ。

 だからこそ此処で誓約を交わしたい。

 彼方では決して子作りをしないという誓約を、な。

 どうじゃ?

 此が儂からの絶対条件じゃ。

 むか呑まナイかはお主次第。

 だが呑ままい場合は、力を貸してやれんがの」


 「勿論、呑みますよ。

 彼方にシルフィを連れて行けるのなら、お安いご用です」


 「ウム。では、誓約を交わそう──…」


 こうして「人界では決して子作りをしてはイケない」という最高にくだらない誓約が此処大陸一の大国家であるセルディア王国辺境に位置する精霊の森、そのエルフの里にて交わされたのだった。


 「見事あの子を──シルフィをお主のテクで陥落かんらくさせ、功績こうせきを以てあの豚子爵を超えて成り上がってみせるのじゃ!!」


 「勿論で御座いますお爺さま!!」


 「まだ早い!!」



 密会後。



 老「子作り以外であればからの」


 若「言質げんちは取りましたからね?」


 ──ニヤッ。

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