第58話
ロスタイム2日目
どうやら新作ブーストは、コンテスト登録時には発生しないようである。なぜなら、このエッセイの週間ランキングが大幅に下がっていないのである。
まぁ、面白がって星を入れてくださっている人もいるので、その影響のせいなのかもしれない。ただただその行為に対しては感謝しかないのであるが……どう考えても、このエッセイの結末に、実のある結末などありはしない、ただただ焼け野原のように何も残らない不毛の大地が広がるのみなのである。
それどころか、来年のカクヨムコン、一つのブームが来る予感! 日記でもカクヨムコンOKらしいぜ! ってな具合に!
……って、もしそうなったら、まさにカオス! カクヨムコンがなんでもござれの乱戦状態! まさに群雄割拠! あっちこっちで意味不明なエッセイの旗印が昇る様子が目に浮かぶ。まさにもう目も当てられない状況! いたるところで不平不満の阿鼻叫喚! もはや地獄絵図! 混沌としたカオスである。
そのカオスの元凶が私になるかもって。
なんか興奮する!
ふう……
ちょっと、賢者モードになろう!
やはり、登録時は新刊ブーストは発動しないのは確定のようだ。新刊ブーストは一番最初に話を公開した時に発動するようである。この新刊ブースト自体の効果は絶大なため、その効果が切れると、否が応でも一時的にランキングが下がるはずなのだ。しかし、このエッセイのランキングが下がらない……
と言うことは、このエッセイを登録した時点で、ランキングに掲載されたのは、未登録時の12月1日からの★等が集計されたためと見るべきなのだろう。
ならば、来年のカクヨムコンにおいては、既存作品については、無理して初日に応募する必要はないということだ。初日からの星等は、応募しなくてもカウントされているのであるから、じっくりと、他の応募状況を伺ったうえで、応募先を判断するのが賢明なのだろう。(ランキング上位にのる人のことは言ってないからね。そんな天上人の事なんか分かりません!)
しかし、新作については、新作ブーストがかかるため、1話投稿と、応募期間の兼ね合いを鑑みる必要がる。当然ながら新作であるため、投稿しないと星等がつかないのである。ならば、やはり、新作は初日に投稿したうえで、★等を集める期間をフルに活用するのが賢明な判断だろう。
さてさて、難しい話はここまでで、私はこれからバカンスだ!
「では、バカンス行ってきまーす!」
職場の中で高らかに私の声が響き渡る。
「どこ行くんですかぁ?」
仕事に専念していた同僚が振り返り、私に声をかけた。
「ちょっと、三食昼寝付きの公立保養施設!」
ここで、子供の入院などと口走って、へたに心配されてもかなわない。
特に今はコロナのため、お見舞いなど制限中なのだ。
というか、そんなつまらんこと口走っても、全くもって、おもろない!
「いいですねぇ? ちゃんとお土産くださいよ!」
なんか嬉しそうにこっちをじーっと見つめているんですが……コイツ!
「うーん、高級緑茶と、高級ラーメンと、高級お菓子、どれがいい?」
「じゃあ! 高級緑茶で!」
緑茶を選ぶとは、コイツなかなかできるな!
もしかして、お客様用などと考えているんだろうか……
ますます持って、先のことを見据えていやがる。
「そうか! なら、おーいお茶と伊右衛門のどっちがいい?」
「それって、ペットボトル!」
バカか! 病院で飲むんだからペットボトルのお茶に決まっておるだろうが!
などと内心で思っていても、決して口にしないのが私のいいところである。
「何をおっしゃいます! 緑茶の中の売れ筋商品! まさにキングオブ緑茶!」
「じゃぁ、おーいお茶で……」
お前は……おーいお茶派か……わたし的には伊右衛門、いや、コーヒーの方がいいのであるが、そうか、最近、ペットボトルのコーヒーも出ていたな……しまった、コーヒーを選択肢の中に上げておけばよかった。
「口のみするけどOK?」
「それじゃ間接キスじゃないですか! 唇は簡単に奪わせませんよ!」
もう、大人なんだから、そんな事、気にするなよ!
などと、口が裂けても言えません。そんなこと言ったらセクハラです!
セ・ク・ハ・ラ!
だいたい……そこでOKされても困るんですけどね。
「うーん、仕方ない、私がバカンス中、私のロッカーの中のラーメン食べててもいいよ」
「えっ! いいんですか!」
なに? その反応? 待ってましたと言わんばかりのその嬉しそうな反応?
「全部はダメよ! 全部は!」
「そんなに食べられませんよ! 太りますし! 大体、下の方腐ってるじゃないですか!」
なんでそんなことまで知っているのだ?
もしかして、ちょくちょくラーメンが減っているのはお前のせいか?
「腐ってないよ! 発酵しているだけだって! たぶん……発酵食品は美容にいいぞ!」
「そうやって、自分がいらないものを押し付けようとしてるでしょ!」
「そんなことないよぉ~」
ちっ! バレたか……せっかく、まずいラーメンの在庫整理を考えたのだが、無理だったか……
などと、むさいオッサン二人が、グダグダとしゃべっておりましたとさ。
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