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「まさか……メルクトリが魔人だったとは……何と言うことだよまったく……」
やりきれないとばかりに、カーラバルドが深々と
魔人を
騎士団長の片割れが魔人だったのだからてっきり王も魔人サイドだと思っていたのだが、話を聞いた限りじゃカーラは無実のようらしい。
俺に対する騎士団への
一応、無礼を承知でカーラを斬らせてもらったのだが、当たり判定は無し。これで彼が俺たちと同じ人間であることが証明された。白だと見て違いないだろう。
そして肝心の経験値だが、どうやらキルゾーン中は入らないらしく、あれだけのモンスターを倒したのに俺たちのLvは175のままだった。
惜しいというかもったいないというか……きっと経験値が入っていれば今頃230くらいにはなっていただろう。
「――彼が魔人であったことは残念だ。しかしこうして見ればひとつだけ彼の言い分が正しかったことが分かる」
「ええっと、正しかったことって?」
「それはな〝莫大な資金を投入してでもアルトくんを騎士団へと招き入れるべき〟という提案さ。何せあれだけのモンスターたちを撃退してしまったのだからね。更にはレイドボスまで討ち取ってしまった。
どちらも君のお陰だと聞き及んでおる。数百人を束ねてしまうカリスマ性と技量……これを千年に一人の逸材と言わずに何というか。その
カーラは嬉々として監視場での一件を語る。
だけど、俺には戦いの成果が全て自分のおかげだなんてまったく思えなかった。
「いえ、恐れながら。その評価には誤りがあります」
即座の反論にカーラは目を丸くする。
「ほお……誤りとな。では聞かせてもらおうではないか、どのように誤りがあったというのかを」
俺は席を立って振り向く。そこにはギルメンだけでなく、共に戦場を駆けた
「監視場での戦いは激戦でした。決して俺ひとりでなし得るものではありません。みんなが命を
ひとしきり聞いた後、カーラは納得いったように頷いていた。特に異を唱える様子もなく「なるほど」と
「ではこうしようではないか。モンスターを撃退した全ての者を英雄と認め、ひとりにつき1Gの報奨金を与える!
カーラバルドが高らかと宣言した瞬間、王室はかつてない
ひとりにつき1G――10億ルクスという破格の報酬はバルドレイヤが大都市であるからこそ
「いいんですか、全員ってなると約8000億でしょう。都市が
俺の心配がよほど面白かったのか、カーラはにんまりと
「
分かり切った風な物言いに、こちらも口角を緩めてしまう。
装備に強化にエンチャントにと、俺たちはいつも金欠だ。それでもこの臨時報酬は有難い。心配には及ばないようだし、素直に
「いま一度重ねて礼を言う。冒険者、騎士団諸君よ、此度の偉業――誠に大儀であった!」
カーラバルドが
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