美味しく食べよう
タイトル詐欺かと言われそうですが、自分はもう壊滅的に料理が苦手です。
何が苦手って、まず絶対に想像したような味にならない。
お菓子なんてレシピの通り作っても、なんか見た目からして違う!
難易度を下げればなんとかなりますが、
ちょっとしたことで死ぬほどマズイ食べ物を作り出す天才です。
だったら書くなよ、って話ですが、ここではもちろん文章の話。
現実に料理をするのは苦手でも、
物語の上でなら、美味しい食べ物が書き放題です。
小説を書き始めてわりとすぐの頃、
日常の描写にご飯が出てこないのはなんかさみしいな、
というので食事や飲み物などの描写を入れるようになりましたが、
いざ書いてみるとこれがなかなか面白いのです。
食べ物の美味しさを表すのって、究極は「美味しい」の一言ですよね。
「甘い」「しょっぱい」「酸っぱい」「苦い」と味の表現はありますが、
これは食べるものに対応して美味しいかマズイかが変わります。
ケーキがしょっぱかったらたぶん普通の人はマズイと感じそうだし、
ラーメンが甘かったらなんか胃もたれしそう。
同様に歯ごたえや香り、油の有無、温度、食事の状況など、
料理の味を左右する要素はたくさんありますが、
どれも場合によって善し悪しが変わってきます。
そして更にその上に、その人物の「好み」が乗っかります。
日常的過ぎて普段は意識していない要素なだけに、
これを文章にしてみると「こんなに濃い世界なのか!」
と驚く部分が多いかと思います。
いざ書こうとすると裏付けの調べもので小一時間潰れます。
ただこれだけの要素を1つ1つ丁寧に説明していったら、
美味しい食事の話が書けるかといったら、
そりゃもう胃もたれするだけで全く美味しそうにはなりません。
どの要素が大事なのか見極めて丁寧に、
かつ食レポにならない程度に話の筋に埋め込み、
ともすればスルーされるくらいの自然さで書く。
このさじ加減が大事だなぁと思います。
「稀人オーク」を読んだ方はピンと来るかも知れません。
実は何度か書いているのですがスルーされていそうな要素があるのです。
ザグルの肉好きはたぶん誰でも覚えていると思うのですが、
では雪江の大好きなものは何でしょうか?
これがすぐ出てくる人は雪江のことが好きなんじゃないかな?
という事で実はザグルもそれを知っているので、
とある部分で暗に示されていたりします。
マジですか、知りませんよという人は今すぐ3話へGO!
最新話でも出てきますよ!
ということでタイトルに至ります。
食事がカギになる小説が好きという私自身の好みもあったりしますが、
食べ物の好みってキャラクターへの親近感も沸きやすいし、
そういう描写があるとちょっと嬉しいんですよ!よ!
非生物しか出てこない小説は稀ですから、
隙あらば食べ物を出す機会はあると思います。
改めて書いてみたことがないという方は、
ちょっとやってみるとものすごく面白いのでお勧めです。
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