稀人オークが生まれるまで
とりあえず最初に書いてみたいのは、
「稀人オーク」爆誕の秘話です。
いや秘話ってなんすか、なんも隠してないやん!
とツッコミが飛んできそうですが、
実はこのお話は当初、
2次創作として書こうかな、なんて思っていたものだったりします。
作中にも出てくるように、
オークが敵キャラではなく1種族として出てくるゲームって、
最近ではたまーにあるみたいですね。
でもまだまだモンスター、敵キャラのイメージが強いなか、
とあるゲームで種族ごとに主人公格のキャラがいて、
しかもその種族にオークもいる、というのに出会いました。
プレイし始めたころは
「うーん、こういう価値観ってめんどくさいなぁ」
なんて思いながら見ていた種族ですが、
彼らの国の事情や個々のキャラクターの思いなど、
しっかり読んでいくうちにいつの間にかハマってしまいました。
そのうちとあるキャラクターが大のお気に入りになって、
試しに2次創作してみようかな?
と考えたのがこの「稀人オーク」の切っ掛けです。
その時点では彼らが現代に来るなんて設定、もちろんありません。
ここでそもそもの話をすると、
私は小説でも漫画でも、2次創作って実は苦手なんです。
書くのはもちろん他の方の作品を読むのも、
元の世界とはやっぱり違うのが気になって。
この時イメージし始めた2次創作も、結局そこで止まりました。
オリジナルじゃない彼らの話は、
その世界観を壊さない範囲で書くと物足りない話になるし、
かと言って私が書きたい内容を書くと全然違う作品になっていく。
それでもやっぱり捨てるのは勿体ないネタだな、
と思って悶々としている時期に、
あるときpixivでポケモンの2次創作が目に止まり、
何だろうこれ、と調べていくうちに「夢女子」という単語を見つけました。
簡単に説明すると、2次創作でも作中のキャラ同士ではなく、
自分の分身となるキャラクターとカップリングさせる方、ということらしいです。
あっ、なるほどこれだ!
とそこからあり得ない妄想が始まってしまいました。
気付けば元のキャラクターとはイメージの違うキャラになっていて、
もう名前つけてやろうということでザグル君爆誕。
更に彼が現代にやって来るところまで想像して、一人でクスクス笑っていました。
もうただの危ない人ですね。
でもそうなると徐々に、
ザグルは私が妄想しているキャラクターであるにも関わらず、
私が全く想像していなかった言葉を放つようになります。
眠いけどあとちょっと…明日やること増えるの大変だし…と思っていると、
「眠い時は寝ろ!さっさと寝てさっさと起きりゃ済む話だ!」と怒られます。
実行したらかなりの早起きになりました。作業効率も上がりました。
心無い一言に胸がどきどきして悩んでいると、
「あいつと仲良くしてぇなら気にすりゃいいけどな、どうでもいいなら時間の無駄だ。お前腹減ってるだけだろ?」
と根本的な原因を教えてくれます。
ほんと、お腹空いてる時って気にしなくてもいいことで悩むんです。
そうこうしているうちに、彼の言葉を文字にしてみたい、
同じような事で悩む人たちに聞かせてあげたい、
と強く思うようになりました。
元々オリジナルならへたくそなりに書くのが好きだった私です。
学生時代以降ろくに書き起こさず、
溜めに溜めた妄想力が久しぶりに爆発してしまいました。
こうして「稀人オーク」の世界は動き始めました。
戦略なんてなにもないようなスタートですが、
一つだけ考えたのは「ザグルがリードするコイバナ」ではなく、
どちらかと言うと不憫な彼を拾ってしまう年上の女性の話、
という位置づけにしたことです。
私っぽさが一番出ているのはここかもしれません。
「不憫な女性がピュアな大人の男性に救われる」的なお話は、
確かに読んでいて楽しいのですが、
もうこの歳になるとただの夢物語だよなぁ、とどこかで醒めてしまいます。
ならピュアで可愛げのある年頃の男性と、
色々あって干物のようになってしまった年上の女性、という、
自分の実感もこもって一番こういうお話を届けたい人を主人公に、
という事で雪江ちゃんが生まれました。
もう一つ特徴があるとしたら、この世界には「悪い人」が居ません。
無関心であったり、偏見の目で見たり、心無いことを言ったり。
そういう人は誰かにとっては「悪い人」かも知れませんが、
彼らには彼らの事情や考えがあり、あるいは知らないことがあるだけで、
退けるべき悪い人ではないと思って書いています。
書く予定は今のところないけれど、「ディアマンテ」に登場する王様だって、
強大な魔力を求めたのは国と民を守るためだったのです。
あっ、この勢いで書いてると色々ネタバレしてしまいそうですね。
そんなこんなで、妄想と伝えたいことと私の自己満足をガッツリ混ぜて、
出来上がったのが「稀人オーク」です。
読んでもらうことより書いて楽しむことが先に来ているようなお話ですが、
面白いと言ってくださる方々が思ったより多くて、とても嬉しいです。
そろそろ物語も佳境、雪江の意識がどんどん外へと向かっていき、
それにつれて楽しいことも辛いことも増えていきます。
頑張って書き上げていこうと思いますので、
今後ともお付き合いをよろしくお願いします。
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