第4話 残暑の夜、その後。 ―― 発見。
家に着きすぐにお風呂に入り、課題のレポートをして気付けば24時半になっていた。
(あ、みんなにメール回さなくちゃ!)
スポッチャの件のメールの文章を作成しようとケータイを開くと、大崎くんからメールが届いていた。
『…何、このメール文。(笑)』
メール文を見ると「あ」とだけ書かれていた。たぶん、テスト送信のような感じで送ったのだと思う。予想外なメール文に思わず、わたしは笑ってしまったが、大崎くんらしい送り方で『本当に大崎くんからのメッセージなんだなぁ』と嬉しかった。
『《メール送ってくれてありがとう!
ちゃんと届いていたよ!》っと。』
〈おう!よかった。
返事遅いから寝たのかと思ってた〉
《課題出されてたの忘れてて、急いでやってて!
今さっき、やっと終わったの〜(笑)》
(メールだと結構、普通に会話するんだなぁ〜)
〈ふ〜ん。てか、メールめんどくさいな。
パソコン持ってる?〉
《パソコンあるよー!
え、パソコンからメールした方がいい?》
〈いや、そうじゃなくて。チャットアプリある?〉
《何それ?パソコン見てみるー!》
―――――― 〜♪〜♪〜♪
『はい、もしもし?大崎くん?』
「おう。パソコン開いた?」
『開いてみたけど、チャットアプリっていうやつないかも〜』
「じゃあ、インストールして!そしたら使えるようになるから」
『OK!やってみる〜!』
大崎くんにチャットアプリのインストール方法や、使い方を教わりながら電話をしていると気付けば深夜2時になっていた。インストール後、一旦電話を終えて、チャットアプリで会話をした。
〈あ〉
《大崎くん?》
〈届いてるな。メールより便利だから、こっちでやり取りしようぜ!〉
《りょーかい!!でも、キーボードで文字打つの慣れてなくて時間かかるかも!!(笑)》
〈たしかに遅いな(笑)。練習だな。
慣れたら速くなるし、一々メールみたいに開封しなくていいから、使い慣れたらこっちが便利だぜ〉
《そうだね!開封しなくても見れるのは便利!
頑張って速く打てるようにするね(笑)》
〈おう!よろしく☺︎〉
《え!絵文字使えるの?!どうやるの?!(笑)》
〈教えない(笑) 探したらあるよ(笑)〉
《急にいじわる!!!ひどい!!!(笑)》
〈散々インストール方法とか教えたし十分、優しいだろ!それにすべてを教えることが優しさじゃない(笑)〉
《そうだけどー!なんか、むかつくなぁー(笑)》
〈見つかったかー?(笑)〉
《そんな早く見つけきれないわ!!コンチキショー!!!(笑)》
〈プププ、ダサっ!!(*´∀`)ノwww〉
《ちょっと、まじでムカつくんだけど(笑)!
てか、キャラ変わりすぎでしょ!腹立つわ〜(笑)》
〈早く絵文字見つけろよ〜www〉
結局、わたしは絵文字を見つける事が出来ずに、この日は3時を回ったため、明日までには絵文字を見つけてやる!と大崎くんに宣言し、チャットアプリでの会話を終えた。
負けず嫌いな性格なため、本当に悔しさはあったが、大崎くんの新しい一面を知ることが出来て、楽しさと嬉しさの方が大きく、ベッドに入りながら今日のやり取りを思い出しながら眠りに落ちていった。
この日から更に、わたしの毎日の新鮮さが増していった。
関われば関わるほど、知れば知るほどに、君がどんな人なのか気になって仕方がなかった。
――― また明日。新しい君のどんな一面に出会えるのかな。そう思って明日を想像すると、ワクワク、ドキドキ。
きっと、『胸が高鳴る』この言葉が当てはまる気持ちなのだろう。
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