幸せとは

アカツキ

第1話

「私はぜーったい、好きな人と結婚して幸せになるんだから!!」


焼酎の水割りを飲みながらそんなことを叫ぶのは、この酔いが回ったこの私 雨宮幸あめみや さち21歳。


「それ聞き飽きた」

素っ気なく返事をするのは、高校からの友達 まなちゃん。


「私本気だからね!!」

あっそ、と言わんばかりの視線。


金曜日、仕事終わりに居酒屋で愛ちゃんと飲みに行くことがよくある。今日もそう。お酒は好き。強くはないけど…


「愛ちゃん彼氏と仲良し…憧れる…」


♪〜メッセージ たく:風邪ひいた。


「また連絡きたの?」

「そう、風邪引いたみたい。」


はあ…帰りに寄ろう…


「会いに行くのやめないの?」

「…うん」

愛ちゃんは素っ気ないように見えて心配してくれている。


拓は1年半付き合ってて3ヵ月前に別れた元彼。好きなのか情なのかずるずる会ってしまっている。私にとっての幸せは、好きな人に愛し愛され結婚したい。このままではいけないと分かっててやめられずにいる。


「都合のいい女やめたい」

「自分で分かってるならその内やめれるよ」


愛ちゃんは無理にどうしろとは言わない。自分で決めるのが、自分にとって1番納得いく形だと思っている。


「絶対抜け出してやる!!」

「といいながら今日も行くでしょ」

「…」


言い返せない私に呆れ顔の愛ちゃん。


「後悔だけはしないようにね」

「そうだね」


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