導きの神、ユウリ 1
赤く揺らめく
女神、マグノリアス様は、『念話』を使って、僕の心に直接語りかける。
「堂々としていれば大丈夫です。
僕はタブレット端末のようなスクリーンを見ながら、そこに表示された文字を読み上げ始める。
「僕は
赤い人魂に問いかけると、暗く静かな声が返ってきた。
「……もしかして俺は死んだのか?」
「はい、残念ながら、あなたは若くして
「異世界とか言っていたな。俺は異世界に飛ばされるという訳か?」
「ええ、そうなりますね」
スクリーンによると、
「うおぉぉっ! やったぜぇ! 異世界転生だ! この俺が異世界転生の主人公に選ばれたぜ!」
ん? なんだこのハイテンションは? 死んだはずなのに、こんなに喜ぶなんて……
人魂の反応を見て、困惑している僕に、マグノリアス様が念話で話しかけてくる。
「異世界転生の話をすると、だいたいこんな感じですよ。みんな大喜びします」
「ほ、本当ですか? 死んでしまったというのに?」
「ええ、そうですよ、
「分りました、伝えます」
僕は赤い人魂に向って語りかける。
「落ち着いて聞いて下さい、あなたの魂はまだ現世に引き返せます。無理に異世界に進まなくても構いませんよ、どちらの道を選びますか?」
「もちろん異世界で!」
即答で返事が来た。いったいどうなってるんだ……
ハイテンションな魂が、僕に向って話しかけてくる。
「アレだろ? 何か特別なスキルとか、
「ええ、あなたにはこれから3つの『ユニークスキル』を
「ひゃっほう! 3つも貰えるのか、一つだけだと思ってたのに、ヤバいぜ! 最高だぜ!」
「えー、では、まず説明を……」
「俺、絶対に欲しいスキルがあるんだ! このスキルは
僕が説明しようとすると、興奮状態の魂がそれを
「俺さ、生きてる間は、女の子にぜんぜんモテなくてさ、異世界に行ったらモテたいんだよね。だからそういった効果のスキルを下さい!」
いきなり無茶な要求が来た。そんな都合の良いスキルは無いだろうと思っていたら、神様をサポートするシステムが、それっぽいスキルを3つも抽出してきた。その中で、僕はもっとも無難なスキルを紹介する。
「分りました。『
「それはイヤだな。敵から評価されてもしょうがないし、男に気に入られても意味が無い。俺は女の子にさえモテれば良いんだ!」
かなり強く拒否をされる。まあ、女の子にモテたいという気持ちは分らなくはないので、僕は次のスキルを紹介する。
「では『魅了の
「モンスターを配下しても楽しくないだろ。それに女の子を魔力を使って無理やり服従させるのは、ちょっとね。俺の
……モテないくせに注文が多い。確かに女の子を無理矢理に服従させるというのは、あまり気が乗らないのも分るけど。
僕は最後のスキルを紹介する。
「『
「それだ! まさに俺の探し求めていたスキルそのものだ!」
「このスキル、対象は異性だけで、同性には効果が無いんですが、本当に大丈夫ですか?」
「男なんかにモテたくねえし! 俺はこのスキルを取得するぜ!」
こうして『
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