七つの刻印と主
ちまねちよ
第1話少年少女達
一面花畑の場所に一人の少年がいた。私は少年に近付く。すると少年はこちらを向いた。
「やぁ」
それだけ言って視線を花畑に移す。顔は布で隠れていて見えないが、優しそうな表情をしている気がした。
私は少年の目の前に座る。
「君は自分の立場をわかっているかい?」
「立場?」
聞き返すと少年はこちらを向いた。
「君はこれから辛い目にあうだろう。もしかしたら死にたいと思うかも知れない。でも、よく考えて君にはちゃんと素敵な仲間がいるから」
少年はそう言って花を摘む。私は少年のまるで全てを見通している様な発言にびっくりしながらも頷く。
「さぁ、もう帰る時間だよ」
少年が言うと辺りが歪みはじめる。私は思わず目を瞑る。目を瞑る瞬間、少年が笑った様な気がした。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「お〜い。お〜い!カナ?起きる時間だよ」
その声で目を開ける。目の前には端正な顔をした少年がいた。
「……おはよう、シュウ」
私がそう言うと、黒髪癖っ毛で赤目の少年。シュウは笑顔でおはよう。と言ってくれた。
「良く眠れた?」
「う〜ん、多分」
私が曖昧に返すとシュウは心配そうな顔をした。
「大丈夫?辛くなったら言ってよ?」
「大丈夫だよ!それより"皆"は?」
心配してくれるシュウを宥めながら聞くとシュウは軽くため息をついてドアの向こうを指差した。
「あっち。リビングにいるよ。朝食食べたら作戦会議しようね」
「うん。もちろん!」
私とシュウは他愛ない雑談をしながらリビングへと向かった。
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