20》♠︎パーティーの真の目的〜〇〇披露パーティー……〜♠︎

 ここはラガの屋敷の客間。トウマはラガに問い詰められ、どう答えたらいいかと自問自答していた。


(どうしよう。……どう答えたらいいんだ。だけど、……。

 “何ウダウダと考えてるっ! お前が無理なら俺が代わってやろうか?”

 ちょ、待てっ! 大丈夫だ。オレがなんとかする。

 “フンッ、本当にお前で大丈夫なのかよ。またバレるんじゃないのか?”

 ああうるさい。大丈夫だって言ってるだろっ!

 “ならいいが、まぁせいぜいバレないように頑張るんだな”

 クッ、お前に言われるまでもないっ! ……って、なんとか抑えることができた。だけど気をつけなきゃ……)


 その様子をラガはじっとみている。


(うむ。この様子では、やはり訳ありのようだな。だが、どうも気になる。黒髪という事にもだ。恐らくこの国の者ではないだろう。

 黒髪か……だとすれば、この大陸から遥か東にあるとされる瑠璃珊瑚島の出身か? 書物などで知ってはいたが……。

 もしそうだとして、ルディ家とどういった繋がりが。ふむ、どう考えても分からぬ。

 さて、どうする。このままでは、披露パーティーに間に合わん)


 そう考えながらラガは話し始めた。


「うむ、なぜ話せない? このあとパーティーで、皆に君のことを紹介しようと思っている。だが、君の素性がハッキリしないのではな」


「紹介、ですか。それなら、別に詳しく紹介しなくてもいいのでは?」


「それもそうだな。うむ、どうしたものか。これは君を、わざと驚かせようと黙っていたのだが……」


 そう言い一点をみつめ少し考える。その後、自分を納得させると真剣な表情でトウマをみた。


「やはり、話してしまった方が良さそうだな」


 そう言われトウマは、ラガからどんなことを告げられるのかと急にドキドキしてくる。


(ゴクリ、……オレを驚かせるってどういう事だ? そもそもパーティーに招待された理由って……)


 トウマがそうこう思考を巡らせた。そしてラガは理由を話し始める。




 一方その頃マリエスは、二階の自分の部屋にいた。


 部屋には、白とピンクの家具が各場所に置かれている。そして床には、薄いピンクのじゅうたんが敷かれていた。


 それと至るところには、観葉植物とぬいぐるみが置かれている。


 勿論ベッドも可愛らしく白とピンクだ。



 マリエスは、白とピンクのドレスに着替えたあとアクセサリーを身につけるとお化粧をする。


 その後、まだ時間があるのでベッドの上に腰掛けた。


「あー早く、婚約披露パーティーが始まらないかしら。一刻も早くトウマ様にお会いし、この気持ちを伝えたいと思っていますのに」


 目を輝かせながらマリエスは、婚約披露パーティーが行われるのを待ち焦がれている。



 そして刻々と、披露パーティーの時間が迫りつつあった。

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