7》♣︎動物たちの救出〜好転〜♣︎

 クリオネアクオレが事情を話すと、この事にアルベルトが関わっている事が分かった。


 トウマはそれを聞き、アルベルトにこの事が知られるとまずいと思った瞬間みるみる血の気が引いていき顔が青ざめた。


 それを見たクリオネアが不思議に思い聞くと、トウマはどう答えたらいいかと戸惑い、


「オレは……」


(どう答えたらいいんだ。クリオネアはアイツアルベルトの手の者。だけど素性を明かすわけにもいかない……)


 クリオネアはトウマが異常に悩んでいる事に気づき、


「トウマ。何を悩んでいるのかしら。それほど言えないような事情なの?」


「ああ。なるべくオレの素性は誰にも知られるなって、アイツアルベルトに言われてる」


「なるほどねぇ。アルベルト様が……。それが本当なら、あたしも深く追求できないわね」


 クリオネアはそう言い荷馬車の方へと視線を向けた。


「そうなると動物たちの方はどうしようかしら?」


「出来れば逃したいけど。もしこの事が……」


「そうねぇ。襲われたのは事実だし……だけどトウマは、アルベルト様にこの事が知られるとまずいのよね?」


 クリオネアがそう言うとトウマは頷いた。


「あたしに考えがあるわ。とりあえず荷馬車の方に行きましょうか」


 そう言うとクリオネアは荷馬車の方へと歩き出した。


(ん〜いったいクリオネアは何を考えているんだ?それに、本当に信用していいのか?でも今はとりあえず様子を見よう)


 トウマはそう思いながらクリオネアの後を追った。

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