女子高生とおじさんが新生活を一緒に始めるようです。

えちだん

第1話 プロローグ

「ひっ・・・・」

「うわ・・・・・」


俺とすれ違った人たちから悲鳴声のような声が口から漏れ出ている。

だが決して俺が恐れられているわけではない。

俺、創田太陽は32歳フリータという身分だが、お金がないわけではない。

趣味のハンドメイドが高じてアプリやインターネットを通じてなかなかいい値段で売れるので、同年代よりは、お金を持っていると思う。

そのお金を使ってできるだけ身だしなみには気を使っている。

そもそも俺は小さいころから喧嘩もしたことがない善良な小市民である。

そう、だから・・・・


「お兄さん、ちょっとお話いいかな?」


急に後ろから呼び止められる。振り向くと『なぜか』警察官が二人立っている。

俺が振り向くと警察官は少し驚いたように見えた。

俺は大人しく歩みを止めて警察官に向き合った。


「お兄さん、大きいね~」

「それでお兄さんお仕事何してるのかな?」


職務質問である。今月に入って3回目だろうか?

なぜ職務質問を受けているか?

なぜ道行く先の人たちがほぼほぼおびえている人たちしかいないのか?



それは決して、私の身長が180㎝以上で、目つきが恐ろしく悪いせいでは断じてない!


・・・・・・断じてないのである。



。・・。・・。・・。・・。・・。・・。



いつものように職務質問に対応し、『新居』に向かう。

私の縁遠の親戚が経営しているアパートをなかなかの安さで借してくれるらしい。

というのもその親戚とは俺が小さいころからの付き合いでいろいろとぶっ飛んだ人だった。


思春期の多感な時期に、思春期には敏感な話題をズケズケと話してきたり、

急にキャバクラに連れていかれたかと思えば、自分は女性を侍らせ何故か俺には隣にボーイを配置するという奇行を実現したりと・・・

あの人の奇行を挙げていったらキリがない。

そんなわけで俺は『ババア』と年相応に呼んでいるのだが、『おばあ様』と今日から呼んでもいいのかもしれない。

少し浮かれながら歩いていると新居であるアパートが見えてきた。

2LDKでキッチンも広くそれで相場の半額。

さらには事故物件でもないという。


「(ありがとうおばあ様)」


おばあさまに感謝しつつ自分の部屋の扉のかぎを開け、開ける。

今日から新生活が始まる!

Welcome!新生活!



扉の先には、なぜかバスタオルを体に巻いた女の子がいました。




・・・やっぱり来ないで、新生活。

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