インテリヤクザ風文章作法もどき集
与方藤士朗
第1話 ビシッと書け!バシッと出せ!(転載)
こちらは、先日完結済の「職業野球本は、あなたを救う」の第64話として書き足したものを再度編集しなおしたです。
なお、私の別筋からの文章は(転載)、そうでないものは(新作)と表題の後ろに明記させていただきます。
高校生の頃に読んだ板東英二氏のとある本で、いわゆる「理論派」と言われているコーチのことが触れられていました。
「ボールとバットの間が何ミリ云々・・・」
その手のコーチは、そのようなことをおっしゃるそうで、なるほど、数字を的確に出して「理論的」に指導しているのだなという印象を持ってしまいそうだ。特に野球漬けで来た若い選手なんか、それで感心してしまう人もいるとかね。
だけど、板東さんに言わせれば、そんなもの、どうやって計測するのさ、ってお話。で、そのずれはいいとして、じゃあ、どうやってそのずれを修正するのさ、って話にもなろうものだけど、それ以前の問題じゃないの?
ただただ、自分の能力を数字にかこつけて誇示しているだけじゃないのか?
ってことにもなるでしょう。
さて、そのことが書かれた節の最後に、板東さんは、こんなことをおっしゃっていました。
打撃コーチとしては一流の中西太さんや山内一弘さんは、そんなことは一切言わない。
「ええか、ボールが来たら、ビシッと行け!」
「バシッと打ち返せ!」
そんなことしかおっしゃらない。でも、コーチとしては超一流で、選手時代の彼らに劣らぬ強打者を育ててもいる。
そんなわかったような数字なんか言わなくても、指導はできる。プロの指導とはいえども、わかったような理屈なんかいらないのだ。
確か、こんな感じの内容でした。
さてさて、こうして私、小説などなど書いておりますけれども、文章指南本とか何とか、さして読んだわけでもないし、申し訳ないけど、それほど小説も読んでおりません。ラノベとか何とかいわれる筋の本など、読んだ試しもないし、読むつもりもないし、ましてや書く気なんて微塵もありません。
まあ、養護施設がらみで「取材対象」的に読んだものはいくらかありますし、その他かれこれあって読んだものもいくらかある。例えば、森博嗣さんという方の小説家としてのエッセイ本は買って読んで、何度も自分自身の仕事の「検証」をするために読み返していますけど、じゃあ、森さんの小説を読んだかと言いますと、読んだことはないですし、読もうとも思っておりません。その代わり、これまでプロ野球本や鉄道本、それに、ノンフィクション系の本はいくらも読んでおります。評論系の本も、数多く読んでいますよ。
さて、そんな私ですけど、読むほうはともかくとして、書くほうはどうなのかと言いますと、まずは、プロットがどうとか何とか、そんな眠たいことを言わずに、どんな人間を出すかを簡単に決めて、とにかく、ひたすら、書きに書きまくりました。
それを2年ほど小説絡みで続けたら、それなりに書けるようになって、本として出せるようにもなったという次第です。
で、今はちょうど、2作目にかかっているところですわ。
結局、どう書けばいいとか登場人物のキャラとか、そういうものを理論的にどう構成して、何てこと、やっていません。
とにもかくにも、
書く以上は、ビシッと書く!
どんどん書いて、バシッとまとめる!
まとまったら、その次もビシッと書く!
声がかかったら、バシッと本にまとめる!
その繰返しですな。
要は、数をこなしていかない限り、質だけをこそこそと高めて・・・、などということが起きようはずもない。
とにかく、人の小理屈を読むヒマがあれば、
一文でも、一文字でも、多く、ビシッと、書く!
小説を書く以上は、ビシッと書け!
書いたら、よく読みなおして、バシッと直してまとめろ!
バシッと直したら、ビシッと人前に出せ!
こんな感じですかね、私の「職業観」は・・・(苦笑)。
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