宮廷鍛冶師、贋作しか作れないと追放されたが実は本物の聖剣や魔剣を鍛錬できていた~俺の代わりが見つからずに困り果てているらしいが、もう遅い。エルフの皇女に溺愛された鍛錬ライフが最高に楽しいので~
決闘に向かって鍛錬した剣がすごい性能の聖剣だった
決闘に向かって鍛錬した剣がすごい性能の聖剣だった
真夜中に俺は工房にいた。
「フェイ様」
「ん? なんだい? ソフィア」
「今度は何を鍛錬されるおつもりなんですか?」
「シャロティアさんとの決闘があるからね。僕は鍛冶師だ。剣の鍛錬をしていたわけじゃない。だからエルフ一の剣技を持つシャロティアさんに剣の腕で勝つのは容易ではない。不可能だと言ってもいいくらいだ」
「そうなのですか」
「でも勝負を諦めたわけじゃない。剣の腕で勝てないのなら剣の性能差で勝てばいいのさ。別に同じ剣で勝負しろとは言われていない。『剣で勝負する』っていうだけの条件のはずさ」
「なるほど。流石フェイ様です!」
「だから、今度はできるだけ性能の良い剣を鍛錬するつもりだよ」
俺は鍛錬を行う。用意するのはオリハルコンとアダマンタイトだ。
「よし! 気合を入れて錬成するぞ!」
キンコンカンコン! 俺は鍛冶に勤しんだ。
「できた!」
出来上がったのは、光り輝く剣だった。
「すごいです! フェイ様! 剣が光輝いています!」
「うん。なんかよくわからないけど、すごいものの予感がするね」
「早速鑑定士のゴン様を呼んでまいります!」
「ああ。頼んだよ! ソフィア」
こうして再度鑑定士ゴンを招来した。
「いかかがですか? ゴン様」
「待っておれ! 今鑑定するからのっ! むむっ! これはっ!」
「いかがされましたか!? ゴン様!」
「この剣は間違いないっ! 聖剣アロンダイト!」
「アロンダイト!?」
「間違いない、聖剣じゃ! そしてこの聖剣アロンダイトはスキルを保有しておる。そのスキルは『剣聖スキル』。この剣を持っているというだけで、この地上で最も優れた剣士、剣聖と同じだけの技量を身に着ける事ができるのじゃ!」
「剣聖スキル……そんな効果がついているのですか」
「ああ。ものすごい聖剣じゃ。またもやこんなすごいものを見せられるなんて、わしは驚いたぞいっ!」
ゴンさんは俺に聖剣アロンダイトを返す。
「ゴン様!? 鑑定料は!?」
ゴンは帰っていく。
「いらぬ。こんなすごいものを見れた事がわしにとって何よりも褒美なのじゃ。礼はいらぬ。だが、またフェイ殿が何か鍛錬をしたならばわしに見せて欲しい。それがわしの望みじゃ」
「いってしまわれました」
「けどゴンさんには感謝しないとね。これでシャロティアさんに勝てる見込みが出てきた」
「はい!」
「そうですね」
ソフィアは笑みを浮かべる。
朝日が差し込んできた。徹夜してしまった。だが、妙な高揚感があり眠くはなかった。その後も緊張して眠る事はできなかった。
そして、約束の午後1時を迎える事となる。
シャロティアさんとの決闘の時だ。俺はその地へと向かう。
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