宮廷鍛冶師、贋作しか作れないと追放されたが実は本物の聖剣や魔剣を鍛錬できていた~俺の代わりが見つからずに困り果てているらしいが、もう遅い。エルフの皇女に溺愛された鍛錬ライフが最高に楽しいので~
輸出した武具の品質が悪いため、外交問題で揉める ※ざまぁ回
輸出した武具の品質が悪いため、外交問題で揉める ※ざまぁ回
鍛冶師フェイを追い出した王国シルビア。その王室では国王エドモンドが呑気にくつろいでいた。
「ぐっふっふ。万事抜かりないわ。こうして若くて安い鍛冶師を雇い、5年で入れ替えていけば無限にこの国は儲かるわいっ! ぐふふっ! 儲かって笑いが止まらぬわっ! うまいものを食えて、買いたいものを買える! しかもわしは特に何もせずに遊びたい放題じゃ! これも安い給料で必死に働く馬鹿な奴隷がいるから成り立つんじゃ!」
国王エドモンドは呑気だった。そんな時の事だった。コンコンというノックの音がする。
「ん? 誰じゃ! 入れ」
入ってきたのは大臣だった。
「どうしたのじゃ? 大臣よ」
「国王陛下。武具を輸出したハルギニアという国が以前ありましたのを覚えていますか?」
「うむ。ハルギニアか? それがどうした?」
「なんでもお話があるそうでして。ここにお招きしてもよろしいでしょうか?」
「うむ。構わないが」
呑気だった国王の態度が一変する。
■■■
「私はハルギニアの外交をしております、外交大臣です」
「はあ。ハルギニアの外交大臣様、一体いかがされましたか?」
目の前には堅物な真面目そうな男が座る。
「色々と言いたい事がありますが、なんですか。貴国から輸入した武具、明らかに品質が悪くなっているではないですか!?」
「な、なんですと、それは本当ですか!?」
「ええ。剣はボロボロですし。鎧も耐久力が明らかに下がっております。鍛冶師の腕が明らかに下がっております」
「そ、そうですか。それは気付きませんでしたな」
「国王陛下はご自身の国で輸出されている武具を見た事もないのではないですか? 品質管理に上のものが立ち会っていない。だからあんな劣悪な武具を輸出できるのです」
「は、はあ……それは申し訳ありませんでした」
だが、以前はこんなクレームは一回もこなかったのだ。それなのになぜ、こんな急にという疑問はあった。
「申訳ないではありません。明らかに輸入に必要とした金額に見合っておりませんよ。こちらは、こちらとしましては輸入額の値引きをお願いしたいです」
「値引きですか!? それは困ります!?」
「国王陛下は要求を飲まない場合は外交の取りやめも考えているそうです」
ハルギニアは資源国でもある。王国シルビアはハルギニアから多くの資源を輸入しているのだ。ここで外交を取りやめられると資源を輸入できなくなる。他の国から割高で輸入をせざるを得なくなる。
「くっ。仕方がありませんな。値引きに応じましょう。そちらの提示した金額で構いません」
「全くです。あんな粗悪品を輸出してくるなど、こちらとしては無料でもいいくらいですよ」
(くっ。こいつめ。値引きに応じてやったのに感謝するどころかしたり顔で)
国王は怒り狂いそうになったが、その表情を何とか取り繕う。
「それでは私は用件が済みましたので失礼します。今後は粗悪品など輸出しないように。そうでなければ貴国との外交関係も考えさせていただかなければなりませぬ」
そう言ってハルギニア国の外交大臣はその場を去って行った。
「く、くそおおおおおおおおおおおお! なんじゃあの男! したり顔で要求ばかりしてきおって! くそっ! くそっ! くそっ!」
出て行った事を確認し、国王は怒りを発散する。
「しかし、なぜじゃ。なぜこうなるのじゃ。なぜ急に武具の品質が悪くなった」
王国シルビアにとって武具の輸出は重要な収益源である。その品質が劣化したとなると大きな問題でもあった。
「まずはその原因を調べざるを得まい。話はそこからじゃ」
国王はその理由を調査する事とした。
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