三人の出会いは春の嵐

ホタテ

プロローグ

 俺は思い出す。


 楽しかった思い出を。


 三人で過ごした日々を。


 時計塔のてっぺんに立ち、思いを馳せる。


 夜の町は静寂に包まれていた。


 近くに感じる月を見上げ、大きく息を吸う。


 そして、その息を吐き出したのと同時に、時計塔の下を見た。


 俺を見上げ、にらみつけている男がそこにいた。


 こっちからはよくその表情が見えるが、あいつには見えているだろうか。


 俺のこの……喜びに満ちた顔が。


「……待ってたぜ。相棒」


 さぁ、始めようか。


 新しい物語を。

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