第22話 The road in the evening(夕間暮れ)

山田「東南アジアって、本当にバイクの乗り方がすごいですね。日本人の俺には到底できない運転ですよ。すごい技術ですよね。」


僕「そうだよね。ある意味、運転のスキルがあるってことでしょうかね。」


僕たちを乗せた車は、間もなくするとタナロット地区から、クロンボガン地区へと入っていった。この辺りまでくると、周囲はかなりにぎやかになっている。あちらこちらでクラクションの音が鳴り響いている。


ここ最近では、クロボガン地区やスミニャック地区は、観光客に人気のエリアになっている。僕が初めてバリ島を訪れたときには、まだまだ田舎の景色が残り、観光客もほとんどこの地区までは足を運ぶことは少なかった。


ところが今では、おしゃれなインテリアショップやカフェの店が多く点在する。それと同時に道が渋滞し始める。このエリアからは、車で移動するよりはバイクタクシーで移動のが、利便性はある。バイクタクシーは、渋滞の車の間をうまくすり抜けて移動できるからだ。僕は車窓から喧騒の中を走る景色を見入っていた。この辺りではバリ島の漆黒の夜は存在しない。ネオンがきらびやかに輝く繁華街だからだ。


バーやレストランから聞こえてくる大音量の音楽が観光客たちを更にアゲアゲな気分へといざなう。スミニャック地区は、ここ数年の間にナイトスポットとしても観光客や地元の若者にも人気がでてきているようである。かなりにぎやかなエリアである。オープンしている店も本当にモダンというかおしゃれさが洗礼されている。バリ島にいるって感覚を忘れてしまうほどである。


山田「酒井さん、このエリアは、ナイトスポットがかなりありますね。マジ楽しそうですよね。今回のバリ滞在中に一度は来てみたいと思うんですけど、いかがですか。」


僕「そうだよね。バーもたくさんあって面白そうだよね。このエリアであれば、ジャラン・レギャン通りからも歩いて20分ぐらいで行ける距離ですけどね。まあぁバイクタクシーだったら、あっという間に到着すると思うけどね。バリ島の夜風にあたりながら、ジャランジャランっていうのもいいかもですね。」


山田「じゃ、是非いきましょうよ。ちなみにジャランジャランって、どういう意味なんですか。」


僕「了解。ジャランジャランというのはインドネシア語なんですよね。日本語では散歩って意味ですね。」


山田「そうなんですね。俺、またまたインドネシア語を覚えちゃいましたよ。」


僕と山田を乗せた車は、小さな渋滞にはあたったが、わりとスムーズに進んで行った。


間もなくすると、僕と山田とエディを乗せた車はジャラン・レギャン通りへと入った。この通りはいつ通っても混雑している。混雑の原因は、観光客を拾うとしているタクシーがゆっくりとこの通りを通過しているからだ。もちろん、今も同じだ。バリ島の路は一方通行のことが多い。もちろん、このジャラン・レギャン通りも一方通行である。


僕と山田がステイしているアグン・コテージの前を通過し、待ち合わせ場所のレストラリホテルのレストランへと到着する。東南アジアでは、よくあることだが、車の通る道が一方通行の国がほとんどである。前々回のベトナムのハノイ、前回のカンボジアのシェムリアップもみな、車道は一方通行と交通ルールの秩序が守られていない。


エディ「間もなくすると、今晩の待ち合わせ場所のレストラリホテルのレストランへ到着します。荷物は、僕がアグン・コテージまで運んでおきますので、貴重品だけはお持ちください。」


僕「エディ、それは助かります。今日買ったお土産を部屋までもっていっていただくと助かります。」


エディ「かしこまりました。」


山田「エディ。ありがとうございます。よろしくお願いします。俺はこのバックだけ持っておりますね。」


僕「僕もこのバックだけで大丈夫です。後は、エディ、部屋までよろしくおねがいしますね。」


僕と山田は、マルチンの弟の待ち合わせ場所であるレストラリホテルのレストランで降車した。


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