第5話 モッツアレラチーズのトマトオムライスとパフェ(2)
時刻はPM7:00を少し過ぎたところ。
心美「パパ、晩御飯はもう食べたの?」
パパ「いや、まだ食べてないんだ!心美の仕事が終わるまで待ってようと思ってな。」
心美「それじゃあ、とりあえず近くのファミレスでも行く…?」
私はまだ父にどう接して良いか分からず、パパの返事を待たずに、バッグを持って玄関へ向かった。
案の定、パパはそのまま後をついて来たので、2人でファミレスに向かう。
店員さん「いらっしゃいませ。喫煙席をご利用ですか?」
パパ「いえ、禁煙席でお願いします。」
店員さんに案内されてから、着席してメニューを決める間、私は全く別のことを考えていた。
(パパが女性として生きていきたいって何!?)
心美「ねぇ、ところでお昼の話の続きなんだけど…。」
メニューを決め終えて沈黙に耐え切れなくなった私は、重い口を開いた。
心美「パパは、女性として生きていきたいって言ってたけど、それって具体的にはどういう風にこれから生きていきたいと思ってるの…?」
パパは一瞬目を泳がせたが、次の瞬間目をキラキラさせながらこう答えた。
パパ「パパが美容に目覚めたって話は心美にもしたと思うけど、そこから化粧品にも興味を持ってな!それで、実は化粧品検定1級の資格を取ったんだ!だから、今後はメイクや男性でもできる美容を頑張って自分磨きしたいと思ってる!」
(なんてこった…。)
心美「え…?パパ、今女性に人気の化粧品検定の資格取ったの!?ていうか、それって女性にならなくてもただの美容系オジサンとして生きていっても良くない!?」
パパ「いや…でもな、女性同士のキャピキャピした女子会とかにも行ってみたいし…。そこでコスメとか美容について女性と語り合いたいんだ!」
心美「つまり、男性が好きだとかそういう訳では無いってこと…?」
パパは今度は照れながらこう言った。
パパ「男性にもちょっぴり興味はあるのよ~ん♡」
(!?!?!?)
いきなりパパの口調が変わってしまったのを見た私は、驚きのあまり、すかさずツッコミを入れる事さえできなかった…。
パパはパパで、自分の口調に自分で照れているのか、私の目の前でモジモジしている…。
(私は何を聞かされているの…?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます