明日の亡霊 

性善説を謳う詐欺師

猜疑心暗鬼渦巻く傀儡の目の敵

片翅を切り落とされ

あられ落雷の轟音に揺れる地に転がる


拡がる疫病、飢餓、自我の喪失に

喘ぐ粗暴の民に

路傍の神は目を閉じ

空き巣の孤児の無事の帰還を

期待している

丑三つ時

空に立ち昇るいるみねぇしょん

散々踊り明かした人生も散財の果てに

つひにはほろびぬ


道逝く明日の亡霊

朝日昇る頃にゃ二、三

死体が這いたる怪小路


ふいに濃くなった影と酒の匂い

「いい加減よしとくれよ」

赤いクレヨン廃ビルの壁に散れば

赤ワインの温かい水溜まりが

穴開きずぼんを濡らす

堕裸打裸ダラダラ

ただただ息をする閉口の毎日

断ち切れぬ

錆びた足枷

生活の枯渇

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