生と死
星本
第1話
私は人とは違う価値観の中で生きているだろう。
それは時に、物に対する価値観だったり、人生や死などの価値観だ。
世間で「人生は一度きり」という言葉をよく耳にするが、私は腑に落ちないものを感じる。
まず、「死」の考え方が違うことが一つの要因だろう。
人は死んだ時点でその自我を失わずして、自らの人生を顧みる時間が存在せず、反省することや後悔することはおろか、評価をつけることもできないと私は考えている。
簡単に言えば、死んでしまえばそれで何もかも終わりである。
それゆえに、たとえどれほど善行を積もうが業を重ねようが死ねばそれは自分とは縁のないものとなると考えている。
次に、生きることに意味を見い出せていないことがあげられる。
生きるということは何をすればよいのだろうか。
子供の頃に描いた将来の夢を叶えればよいのか。はたまた、社会人となり家庭を持つことだろうか。
これは人にとって様々な意見があるにちがいない。
しかし、私は何を目標に何をすべきか、何のために生きるのかわからない。
ある人はこう言った。
「生きる意味を知るために長く生きる」と。
正直どうでもいい。
今はただ惰性でしか生きていない。
私は面倒くさがりやだ。
正直、生きていくことでさえ面倒くさいと感じてしまうほどに。
なら死ぬの?
いいや、私はとても臆病である。自殺など怖くて到底する気がおきない。
たまに、こんな考えを持つ人は私以外にいるのか疑問に思う。
ただ、流れに身を任せ、なるがままに動かされ過ぎていく時間を惜しいとも思わない。
何か起きてもそういうこともあるものだなと興味を示すことも無く、何がために生きているのかわからない。
ただ生きてるだけ。
いつからこう考えるようになったのかもわからない。
何が楽しくて生きているのだろうか。
生と死 星本 @hoshimoto
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