第5話 転生者の名前のキラキラネーム感

今分かることがあるとするなら、私は目の前にいるリリ・ハイドとかいう少女におごってもらうよう頼まれているということでしょうか。

街に来て早速変な人に絡まれたものです。


「今ちょうどお金がなくってさ、今日一日なにも食べてないんだ、お願い!」


「えっと、あなたの両親はどうしたの?」


「いや、いないけど」


触れちゃいけないところに触れてしまったんじゃ……


「それじゃあ、今どこに住んでるの?」


「自由気ままに、って感じで」


「孤児院とかは?」


「いや、そういう歳でもないし」


「ん?今何歳ですか」


「二十五だけど」


目測十二歳くらいずれてましたね。

身長からして私より年下だと思っていたんですけど、まさか七歳年上だったとは。


「職業は何をしてるんですか?」


「強いて言うなら冒険者」


それは、強いて言うならフリーターって言っているのと現状変わりませんよ、稼げてないんですからニートというかもしれませんが。

「まあ、パン一切れ分くらいならおごってもいいですよ」


「ほんとかい、いやーありがとね」


そうして、私は二十五歳のロリにご飯をおごることになりました。

まあ、今日の昼食分のお金は使わなかったしいいか。

それにしても、他の転生者のおかげか随分とシステムが整っているものだなあ、と思います。


そして、私はその場所から離れました、離れたはずなんですが、後ろから菓子パンのようなものをくわえた少女が付いて来ています。

「なんで、ついて来ているんですか」


年上と分かったので、一応敬語を使います。


「僕は、特に行くところもないし」


まあ、無視しててもいいでしょう。

そんな風に思っていると後ろから声をかけられます。


「レイナちゃんだよね」


「ああ、ノエ……


突如腹パンを入れられました。少なくともジョークで受け流せるような威力でもなく普通に痛いです。


「私、自分の名前嫌いだって言わなかったかな」


「言ってたような、言って無かったような」


「えーっと、レイナ君のお友達かい?」


「まあ、そんな感じかな」


「知り合い以上友達未満って感じもするけど、とりあえず友達ってことにしておこうか、お互い友達が少ないからね」


「そういえば、あなたは誰なのかな」


「まだ自己紹介がしてなかったっけ、僕はリリ・ハイド」


「私はリーチみんなからはリーチェって呼んでもらってるから、そう呼んでくれると嬉しいかな」


この人が私と同じ転生者の利一乃絵流、乃絵流とか言うキラキラネームみたいな名前が嫌いだそうです。私は普通にかわいい名前だと思いますけどね。


こうして、私はまた変な人に絡まれるのでした

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