第2話 平穏になるはずだった村
私はアイリスと近くの村に向かっています。
「そういえば、聞き忘れていたのですけど、イベールさんはどうしてあんな所に居たのですか」
「薬草を取りに行っていまして、それと私のことはアイリスと呼んで下さい、私もレイナさんと呼びますから」
「薬草を取りに行くにしてもあんなに危険な所まで……」
「いえいえ、本来あそこには危険な生物はいないはずなんですよ」
「外来種ということでしょうか」
「おそらくは」
随分と迷惑なものを放った人もいる者ですね。まあ、そういうのは大方転生者によるものでしょうけど。
「着きましたよ、レイナさん」
そこにある村は、廃れているというわけではないが、家や人の数が多いようには見えない。家は木製のものが多いようだ。一つだけ違う材質のものがあるとするなら石造りの建物……
「ここが私の働いている教会です」
それほど綺麗ではないにしろ、他の建物に比べればこの教会は、ましな方でしょう。
「ついてきてください、こんなボロ教会でもベッドくらいはありますから」
そう言って私を教会の中まで案内してくれました。
「ありがとうございます、アイリスさん」
「助けてもらったお礼ですから」
私はベッドに寝させてもらいました。この時私は、寒いのが嫌なのでドラゴンの翼をマントに変えて寝始めました。
「貴様は我をなんだと思っている」
ドラゴンが私に語りかけてきます。
「別にいいじゃん」
「我も今まで様々な人間を見てきたが、貴様のように竜を扱う人間は見たことない」
「ドラゴンさんの能力は自由に形を変えることなんだから、最大限活用してるだけだよ」
そして私はドラゴンさんが次の話を切り出す前に寝てしまいました
「小娘一つ言っておきたいことがあるのだが、この村は不自然ではないか」
まあ、後になって思えばこのセリフは重要だったことでしょう。
サブストーリー
今見ているこれはは夢だと僕は確信していた。
四人の少女がのんびりとした日常を送るそんな夢だ。
全員でご飯を食べている、緑色の原っぱ、風は少しだけ吹いている、木の下の木陰で弁当を食べている。
「やっぱりおいしいね、――君の料理は」
「あたりまえ……」
緑髪の少女は小声でそう言う。
「もっと自信をつけても良いんじゃないかしら」
その横から、青髪の女性が話しかけている、結構長身は百七十センチ近くらいだろう。
「冒険者やめたら、レストランとか立てませんか」
同じく横から別の少女が話しかける、少女は黒髪でそれと言って特徴のあるタイプではない。
「君がウエイトレイスをするつもりかい」
「そんなに信用ありませんかね」
「お皿とか、すぐに割りそうとは思うわ」
「えー、そんなことないですよ」
まあ、いつも通りの光景だったそれだ。
夢が覚めるとどうも寂しい気持ちになる。
彼女の死はそれだけ大きかったということだろう。
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